ミンスク和平合意「ミンスク2」から2年


2年前の2015年2月11日、ウクライナ東部での停戦に関する和平合意「ミンスク2」が調印されました。しかし、この合意も衝突を食い止めることに役立たず、政治的解決策を阻止する深い疑問も出ています。


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内戦が多大な人的物的被害をもたらす(写真:ロイター)

ウクライナ東部での衝突がピークに達していた2014年9月5日、停戦を呼びかける初のミンスク和平合意が調印されました。しかし、この初の合意が崩壊し、戦闘が激化していました。これを受け、ロシアのプーチン大統領とウクライナのポロシェンコ大統領は、ドイツとフランスの首脳の仲介により、ミンスクで会談し、「ミンスク2」を達成しました。その後、ウクライナや、ロシア、OSCE=欧州安全保障協力機構、「ドネツィク人民共和国」、「ルハンシク人民共和国」からなる連絡グループは2ヶ月に1回、ミンスクで会合を行ってきました。


衝突を食い止められず

「ミンスク2」には、即時停戦および火器の撤去が再び盛り込まれました。その後を政治的解決の時期としました。ウクライナがドネツィク州とルハンシク州の特別な地位を確固たるものとする憲法改正を実施し、その後、両「人民共和国」で選挙を実施することが定められています。

選挙の後、ウクライナがロシアとの国境を再び管理下に置くことになっています。しかし、この合意も徹底的に履行されていません。両「人民共和国」の選挙は当初、2015年秋の予定でしたが、いまだに実施されていません。この2年間、戦闘は引き続き頻発しています。特に、ウクライナ東部で分離勢力支配地域との境に近い工業都市アブディイフカでは1月29日から、戦闘が再燃し、双方に死傷者が出ました。


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ウクライナのポロシェンコ大統領(写真:AFP/TTXVN)

これまで、ウクライナ内戦は1万人以上の命を奪ってきました。2016年末から2017年初めまで、独立分離派の多くの有力者が殺害されました。これらはウクライナの特殊部隊による暗殺事件とする疑いも浮上しています。アナリストらによりますと、この2年間、戦闘が拡大していないことは「ミンスク2」の唯一の積極的な影響であるとしています。


外交努力を促進

「ミンスク2」が徹底的に履行されていないことを前に、アナリストらは「この合意を改正する必要がある」と訴えています。また、「ミンスク2」のメインパーパスは紛争凍結にとどまらず紛争を解決することであると指摘しています。

こうした中、2月7日、ロシアのプーチン大統領とドイツのメルケル首相は電話会談をし、当事者に対し、停戦合意を尊重するよう呼びかけました。両氏は、この衝突の平和的解決策への支持を再確認し、この問題解決へ向けて、ロシア・ドイツ・フランス・ウクライナの外相会合と首脳の補佐官による会合の開催にも触れました。

「ミンスク2」が効果をあげないのは残念なことです。今後、当事者は自制し、交渉のテーブルに戻って、新しい解決策を探る必要があると指摘されています。

 

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