ロシア大統領の年次教書演説をめぐる問題

(VOVWORLD) -  ロシアは、国際社会において重要な役割を果たしていることは事実ですが、この一年間、西側諸国の制裁などにより、国民の生活などの面で、困難に直面しています。

  20日、モスクワで、プーチン大統領は、政府の閣僚や上下両院の議員などを前に、今後、優先的に取り組む内政や外交の基本方針を示す年次教書演説を行いました。前回とは違って、今回、プーチン氏は、ロシアのさらなる発展のための内政問題解決を強調するとともに、世界との対話・協力を強化したい意向を表明しました。

ロシアは、国際社会において重要な役割を果たしていることは事実ですが、この一年間、西側諸国の制裁などにより、国民の生活などの面で、困難に直面しています。こうした中、ロシア国民は経済や、社会、人間開発などの面で実質的な改善を期待しています。

ロシア大統領の年次教書演説をめぐる問題 - ảnh 1                             (写真:AFP)

国民の生活改善を優先

プーチン大統領は演説で、「国民にとって重要なのは実際に何が達成されたか、それによって彼らや彼らの家族の生活がどう向上したかだ。われわれは状況を改善させる必要がある」と語りました。

また、「ロシアは国民生活の質向上に大規模な支出に足る十分な財源がある」と指摘しました。さらに、生活水準を向上させるとする一連の政策を発表するとともに、新生児をめぐる新たな恩恵と大家族に対する減税といった、低下する出生率への取り組みの強化にも言及し、「家族の価値を高めるため、あらゆることをしてきたし今後も行っていく。家族の収入はもちろん増加する」と言明しました。

プーチン大統領は、同国の外貨準備が初めて対外債務を上回ったことに触れ、GDP=国内総生産伸び率は2021年までに3%超になるとの見通しを示しました。

対話・協力に関するメッセージ

その年次教書演説の重要な課題はもう1つあります。これは「平等・互恵・相互尊重」という原則による世界各国との対話・協力の強化です。プーチン氏は、隣国同士であるベラルーシや、ウクライナとの関係を重視することを再確認するとともに、日本や、インド、中国との関係を重要な課題とみなしています。

日本との関係について、「政治対話や、経済協力を続けていく」と述べた上で、平和条約交渉に関して、「双方が受け入れ可能な条件をともに模索する用意がある」と述べ、今後も粘り強く話し合いを続けていく考えを示しました。このほか、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への協力や、インドとの戦略的な関係の構築についても言及し、アジアの国々との関係強化に意欲を示しました。

一方、アメリカが東ヨーロッパや、アジアで配備を進めるミサイル防衛システムを取り上げ、批判しながらも、親善関係を築き、対話する用意があるという姿勢を表明しました。

プーチン大統領の4期目は多くの困難があると予測されています。中でも、貧困者の生活改善や、経済発展、西側諸国との緊張緩和は最も大きな試練とみられています。こうした中、世論は、今回の年次教書演説に盛り込まれた路線により、ロシアはこれらの問題を解決することができると期待しています。

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