ロンドン襲撃テロをめぐる問題


ベルギー・ブリュッセルで発生し32人が死亡した連続自爆攻撃から1年を迎えた22日、イギリス・ロンドン中心部の国会議事堂付近で、テロ事件が発生しました。これは、2005年7月に発生したロンドン同時爆破事件以来、最悪のテロ事件で、欧州諸国がテロ防止対策において直面している困難を示すものと見られています。


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国会議事堂の警備(写真:AFP/VNA)

一連の襲撃で、3人が死亡、およそ40人がけがをし、容疑者も警察官に射殺されました。イギリスのメイ首相は、この事件を糾弾し、国民の団結を呼びかけています。


危険性から現実へ

犯行声明はまだ出ていませんが、この事件について、インターネット上で早くもテロ組織「イスラム国」の支持者たちが歓喜の声を上げています。イスラムテロ組織を監視するアメリカの団体「SITEインテリジェンスグループ」によりますと、「イスラム国」の支持者はこのテロをイギリスがイラクのモスルにある「イスラム国」の施設を空爆したことに対する報復だと主張しています。


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被害者が多数(写真:AFP/VNA)

「イスラム国」は今のところ、この襲撃に関し、ネット上でのキャンペーンをいっさい行っていませんが、今回の事件はこれまでにヨーロッパで起き、「イスラム国」が犯行声明を出した事件と多くの共通点があるとしています。実際、この4年間、イギリス治安当局は、同国を標的にする13件のテロ計画を発見し、特に、イギリス警察は2016年末、テロ活動を行う疑いのあるものを逮捕しました。


英政府の反応

このテロ事件を受けて、メイ首相は声明を発表し、「イギリス議会は民主主義の中心であり、テロは失敗に終わる運命だった」と述べ、テロに対して一歩も引かない姿勢を強調しました。また、緊急治安特別閣議を招集して対応を協議すると共に、安全保障措置を強化しています。

テロ事件が発生する前にも、イギリス政府は様々な措置をとってきました。この2年間、イギリス政府は、テロ警報レベルを「深刻」に維持していると同時に、今後5年間、MI6=秘密情報部に1000人を、そして、MI5=保安局や、GCHQ=政府通信本部に1000人を新たに採用する計画です。


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テロを糾弾するメイ首相(写真:AFP/VNA)

MI6のアレックス・ヤンガー長官によりますと、イギリス政府は情報機関と安全保障機関の予算に25億ポンドを追加することを決定したとしています。それに加えて、イギリスは、反テロ戦において、国際協力を強化してきました。

これは、イギリス政府が今回のテロ事件が発生する前にとってきた措置ですが、今後、これらの措置はさらに強化されるはずです。しかし、安全保障措置が強化されている最中にもロンドン中心地でテロ攻撃が発生することは、イギリスを含め各国がテロとの戦いにおいて直面している困難を示すものとされています。

 

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