ローマ条約調印60周年記念


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1957年、ローマで、欧州指導者が会合を行った(写真:EP)

今年3月、EU=欧州連合のすべての加盟国はローマ条約調印60周年を祝います。この条約は1957年3月25日に調印され、EUの基本条約となってきました。この60年、EU加盟諸国は多くの浮き沈みを経てきましたが、統合化の道を辿ってきました。

28カ国の加盟国により構成されたEUは地域内のさらなる発展を目指し、数多くの協力計画を作成していますが、国際社会がもたらす試練により、現在、多くの困難に直面しています。

統合化における大きな進展

第2次世界大戦が終結してから、欧州諸国は新たな政治的局面に入りました。欧州は世界の権力の中心地としての役割がなくなったということです。こうした背景の中で、ローマ条約が生まれました。

欧州統合の理想が具体的に動き出したのは、1950年、フランスのロベール・シューマン外相が、ジャン・モネの構想を具体的にシューマン宣言で、ドイツ・フランスの石炭・鉄鋼の共同管理として提案したことがきかっけでした。

1952年、ヨーロッパはECSC=欧州石炭鉄鋼共同体の創設をもって統合への歩みを踏み出し、1958年には経済統合を進めるEEC=欧州経済共同体、原子力エネルギー分野での共同管理を進めるEURATOM=欧州原子力共同体を発足させました。

そして、これら3つの共同体は1967年、運営機関が統合され、EC=欧州共同体として再スタートします。これが今日のEUにつながる欧州統合の源流となりました。

20世紀後半、ヨーロッパ諸国の海外植民地が次々に独立を達成し、旧宗主国だった欧州の経済基盤は少なからず影響を受けました。さらに1987年には世界的な金融恐慌が発生したことや1989年には、ベルリンの壁崩壊とともに冷戦が終わり、東西ドイツが統一されたことなどを受け、ECはよりヨーロッパ内での結束を固めていく道を進んでいきます。

ECは1991年、欧州連合条約(マーストリヒト条約)の合意により、新しい統合体であるEU=「欧州連合」を誕生させ、その後は旧共産主義圏の中東欧諸国をもメンバーに取り込みながら、さらに拡大と深化を続けましました。

1990年から域内での市場統合が促進され、欧州通貨機構の設立などを経て、1999年、単一通貨「ユーロ」が導入されました。当初の加盟国は6カ国でしたが、現在は28カ国になりました。

統合化に直面している試練

現在、EU加盟諸国は統合化によりもたらされる価値を誇りに思えますが、近年、この地域で発生している動きは、EUの将来に関する疑問が浮上しています。

最初はEUのいくつかの加盟諸国は経済危機に陥っていたことです。その直後、イギリスのEU離脱や欧州を襲う難民危機、そして、アメリカとの同盟関係が崩壊しつつあることはEUの存亡を脅かしています。

ローマ条約調印60周年を記念することはEU加盟諸国がこの連合の基本的原則と価値を再確認するチャンスとなることでしょう。

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