世界を全面的に変える新型コロナ

(VOVWORLD) - 国連によりますと、経済危機により、約1億人が貧困状態に陥っており、1998年以来、貧困者が増えるのは今回が初めてです。

新型コロナウイルス感染症が発生してから1年経ちましたが、230の国と地域に広がっており、その感染者は7800万人で、そのうち、170万人もの死者が出ています。この感染症の拡大は人的被害をもたらしているほか、人間の移動やサプライチェーンの一時的中止などの原因となり、世界経済に大打撃を与えています。

世界を全面的に変える新型コロナ - ảnh 1写真:AP 

世界的な経済危機

新型コロナウイルス感染症は2019年12月に中国の武漢市で発生し、翌年の3月11日にWHO世界保健機関に「パンデミック」として認められました。パンデミックのせいで、多くの国が国全体または一部を封鎖せざるを得ませんでした。これにより、世界経済が危機に陥っています。今回の経済危機は1930年代の経済危機とほぼ同じとされています。

IMF国際通貨基金によりますと、世界の今年のGDP国内総生産は前年と比べ、5%減となり、第2次世界大戦以来最悪となっています。世界のGDPを0.1%下げた2008年のリーマンショックは今回の経済危機の比べものになりません。

ほとんどの国がマイナス成長になっています。ハーバード大学の研究は、アメリカだけで、新型コロナの影響による経済面での損失は16兆ドルにのぼり、新型コロナウイルスを「16兆ドルウイルス」と呼んでいます。

また、経済危機により、全世界で、各国の公債が大きく膨らんでおり、「まもなく公債の津波が世界を襲う」との警告が多くの経済専門家から出されています。年末に、全世界の公債は277兆米ドルにのぼると推定されています。

浮き彫りになる社会危機

国連によりますと、経済危機により、約1億人が貧困状態に陥っており、1998年以来、貧困者が増えるのは今回が初めてです。食料食品のサプライチェーンが壊れたため、多くの地域で食料不足が発生しました。国連は、こうした事態を解決する措置を直ちに取らないと、1億3千万人が飢餓する可能性があると指摘しています。

そして、パンデミックは、観光、航空、教育、医療、国際関係など多くの分野に大きな影響を与えています。新型コロナウイルスの起源や感染対応について、アメリカをはじめとする多くの国と中国との相互非難が繰り広げられており、これに伴い、各国間の関係が悪化しました。米中関係は冷戦時代から、最悪となっているとされています。

一方、パンデミックは、保健分野における各国間の協力を促すとともに、疫病に対する世界の人々の認識、予防医学に対する各国政府の認識を高めました。そして、デジタル転換は全世界で進められており、新しい時代における世界づくりに大きな役割を果たしてゆくとされています。

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