世界的なテロとの戦い


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イスラム国の戦闘員

この数日間、アメリカとサウジアラビアにおいて、テロとの戦いに関する大規模な国際会議が行なわれました。同時に、多くの国々は自国におけるテロ対策強化計画を公表しました。


国際と国別の努力

サウジアラビアの聖地メッカで「イスラム教とテロとの戦い」をテーマにする国際会議が開催されています。4日間にわたるこの会議では、イスラム教諸国の代表、合わせて700人あまりがテロの原因について協議した上で、全面的なテロ対策を見出すことになっています。

これに先立って、18日から20日にかけて、アメリカでも、60か国以上の閣僚級が出席してテロ対策を協議する国際会議が開かれ、過激派組織「イスラム国」などの過激な思想に対抗するため、各国が対策を強化することを盛り込んだ共同声明を発表しました。

その一方で、イスラム国対策に関する具体的な行動計画を公表しました。就任後初の外遊でクウェートを訪問中のアメリカのカーター国防長官は、記者団に対して「イラクや、シリア、地域全体の状況について検証する」と述べました。

23日、フランス国防省の関係者は「フランス軍の主力原子力空母“シャルル・ド・ゴール”がペルシャ湾に到着し、 イラクなどに拠点を置くイスラム国に対する空爆を開始した」と明らかにしました。また、アメリカ中央軍当局者は、「イラク政府側が4〜5月にもモスル奪還に着手する」と表明し、2万〜2万5000人が投入されるとの見通しを示してい ました。

イギリスで10代の少女3人がシリアに向かったとの懸念が広がる中、キャメロン首相は少女たちを自宅に戻すため全力を尽くす考えを示すとともに、各学校やコミュニティーに対し、過激な思想が広がらないよう協力を呼びかけました。


脅威の存在、不統一な連帯

各国では、テロ対策が強化されたものの、テロの存在は高い脅威であることが分かりました。フランスのバルス首相は先頃、同国での過激派による攻撃の脅威は引き続き「非常に高い」状態にあると述べました。同首相はRTLラジオに対し、「脅威が依然として非常に高いことから、必要な限り厳重な厳戒態勢を続ける」と強調しました。

イラクのオベイディ国防相は、同国第2の都市モスル攻略について「非戦闘員が多い地域での市街戦になる。時間をかけて、綿密な作戦を練る必要がある。アメリカ当局者が、この問題について正しい情報を持っているはずがない」と指摘しました。同国防相の発言には、アメリカ軍 への不快感を表すと共に、対IS攻撃を主導しているのはアメリカ軍ではなくイラク軍だと国内向けにアピールする狙いがあるとみられます。

この間、国際社会がテロとの戦いにおいて収めた成果を否定することは出来ません。しかし、この戦いが功を奏するためには、各国と国際共同体がさらに努力し、多面的な連携をする必要があります。

 

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