世界経済への原油価格下落の影響


北海ブレント原油先物は今週初めに68ドルを下回り、5年ぶりの安値をつけました。その価格下落は世界経済に一定の前向きな影響を与えるものの、多くのリスクもあると懸念されています。

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原因

原油とガソリンはいつも戦略的な商品で、その商品の価格は世界各国の経済に影響を与えています。原油価格はここ数年、1バレル=100ドル前後で推移していましたが、今年秋以降は下落が続き、特に、OPEC=石油輸出国機構が11月27日に開いた総会で、減産を見送ったことから一段と急落しました。

このような価格下落は世界的な原油の供給過剰が背景にあり、供給過剰の最大原因はアメリカの原油生産全体が大幅に増加しているということです。しかし、OPECのバドリ事務局長は「価格は需給を反映しておらず、投機筋が主導している可能性がある」との見解を示しました。


経済に与える影響:2つの側面

原油価格下落が経済に与える影響には2つの側面があると指摘されています。各国の経済にとってプラスです。原油価格の下落はガソリンなどの石油製品だけでなく、原油由来の幅広い原材料価格の引き下げにもつながり、企業にとっても個人にとっても恩恵をもたらします。

原油価格の下落は、基本的には世界経済全体にとってプラス要因ですが、資源国は収入の減少につながるためマイナス要因となります。特に、ロシアや、ベネズエラなど、経済が脆弱な産油国にとっては大打撃となる可能性が高いです。ロシアは1日あたり1000万バレル、ベネズエラは260万バレルの石油を生産しています。

両国は産出した石油の多くを輸出しており、原油価格の下落は、国家財政を直撃します。原油価格が100ドルから65ドルに下落すると、ロシアは年間で11.5兆円ほどの損失に、べネズエラは約2.8兆円ほどの損失になります。

原油価格の今後の動き

アメリカ・ニューヨークに本拠を置く世界的な金融機関グループであるモルガン・スタンレー は「OPECが生産減に踏み切らなければ、2015年の第2四半期には43ドルまで下落するだろう」と警告しています。

モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ロングソン氏は、「OPECの介入がなければ、市場が不安定化するリスクが台頭し、供給過剰な状態は2015年第2四半期にピークを迎える」との見方を示しています。

原油価格の複雑な変動により、ベトナム政府は経済成長の目標の実施のため、主体的な対応策をとっています。これにより、ベトナムは原油の備蓄量を増加すると共に、原油採掘量の計画調整へ向けて、予測活動を強化しています。

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