(VOVWORLD) - 中国の習近平国家主席はセネガル、ルワンダ、南アフリカを公式訪問中です。習主席のアフリカ訪問は再任後の初訪問であり、5年間で4回目のアフリカ訪問となっています。
これはアフリカでの中国の影響力を拡大することが狙いであるとみられます。
21日から始まったアフリカ歴訪で、習国家主席はセネガル、ルワンダ、南アフリカの3カ国を訪問する一方、25日から27日にかけて、南アフリカのヨハネスブルクで、BRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカからなる新興国首脳会議に出席する予定です。また、帰国途中で、インド洋に浮かぶモーリシャスを訪れる計画があります。
アフリカでの影響力を拡大
この訪問はアフリカとの外交を再強化するほか、保護主義的な通商政策を掲げ、中国を筆頭に各国との貿易摩擦が激化しているアメリカのトランプ政権を強くけん制するため、新興国・途上国の結束を主導して中国の存在感をアピールすることが狙いです。
習氏のアフリカ重視は顕著です。2013年3月の主席就任後、初の外遊先にアフリカ諸国を組み込んだほか、2015年12月にも訪問しました。
習氏はこのほか、自身が提唱したシルクロード経済圏構想「一帯一路」で、アフリカルートの拠点を強化したい意向です。中国政府はアフリカ外交で、途上国の盟主としてアフリカ諸国を味方につけ、国連外交などで主導権を握るほか、豊富な資源を確保することを狙ってきました。9月には北京で「中国・アフリカ協力フォーラム」を開き、多くのアフリカ諸国首脳を招きますが、経済支援やインフラ整備をてこにアフリカへの影響力を拡大してゆく方針です。
中国アフリカ協力に新たな原動力
中国とアフリカの経済・貿易協力、政治交流、安全協力、人的・文化的交流、国際協力は、少なからぬ成果をあげています。特に経済・貿易分野で、中国はアフリカ最大の貿易パートナーです。2017年に中国とアフリカの貿易額は1700億ドルに達しました。現在、保護貿易主義と一国主義が台頭し、世界経済の発展は不確定性に直面していますが、中国は常にアフリカを非常に重視し、アフリカとの共同発展の推進に尽力しています。
今回のBRICS首脳会議はもともと欧米主導の秩序への対立軸を目指して発足しましたが、トランプ政権の誕生で欧米にも亀裂が入りました。習氏は保護主義的な貿易政策を打ち出すトランプ政権への圧力を強めるため、自由貿易で欧州や日本などと協力強化を急いでいます。BRICS首脳会議でも自由貿易体制の維持で一致する見通しです。習主席の今回の訪問がアフリカ諸国を力づけ、中国・アフリカ協力に新たな強大な原動力を与えるのは間違いないでしょう。