(VOVWORLD) - 2019年は1982年国連海洋法条約が発効してから25周年目の年です。中国は1996年、海洋法条約を批准しましたが、この条約に反して多くの国から要注意国と見られています。
各国の学者らは中国がベトナム東部海域(南シナ海)で行った一連の活動は国連海洋法に違反したとの見解を示しました、
国際法に違反
セイヤー教授(写真:TTXVN)
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ベトナムの研究に携わるオーストラリア国防学院のカール・セイヤー名誉教授は「中国の行為は意図的に国際法に違反したものである」との見方を示し、中国は国際仲裁裁判所の判決と海洋法条約を無視し、東部海域の島嶼に対する主権を勝手に主張していると明らかにしました。
セイヤー教授によりますと、中国は2つの野望を抱えています。一つは東部海域(南シナ海)で策定した9段線の内側の海域での石油ガス開発を通じて、覇権を握ること。もう一つは東部海域の資源開発への大国の参加を阻止することです。
アメリカ下院・外交委員会のエリオット・エンゲル委員長はベトナムが管轄する海域での中国の活動に関する声明を出し、この活動は国際法と国際関係に対する明らかな違反である」と強調しました。一方、国際コンサルタント会社オルブライト・ストーンブリッジの東アジア太平洋問題担当のアントニー・ネルソン氏は中国の海洋調査船「海洋地質8号」がベトナムの排他的経済水域内で活動したことに関し、次のように話しました。
(テープ)
「これは国連海洋法条約と2016年南シナ海における領有権問題に関してフィリピンが中国を相手取って起こした告訴に関する国際仲裁裁判所の判決にも違反するものです。また、中国はベトナムとパートナーの国々の合法的石油探査と開発を妨害しました。」
一方、ノルウェー平和研究院のStein Tonnesson教授は次のような見解を述べています。
(テープ)
「海洋法に基づき、中国は他国の排他的経済水域と大陸棚で資源を開発してはなりません。中国は国際法を無視し、一方的にU字ラインを設置しました。今回、中国は南シナ海で、広範囲の調査を行った際、他国に対し、これらの国の大陸棚での調査を防ぎました。」
地域諸国との公約にも違反
中国の最近の行動は1982年国連海洋法条約だけでなく、ASEAN諸国と締結したDOC海上行動宣言に盛り込まれた公約にも違反しています。
2002年11月4日、カンボジアで開催された第8回ASEAN首脳会議にあたり、調印されたDOCに基づき、中国はASEAN諸国とともにベトナム東部海域(南シナ海)の平和、安定の環境を維持し、武力による威嚇、または武力の行使をしないと公約しました。
現代社会において国際法は道理と秩序を守るための法的基準であり、国際社会は順守すべきものでもあります。いかなる国も国際法を無視し、軍事力行使で他国の主権、領有権、裁判権を否定することは国際法の基盤を損ない、その国のイメージにマイナス影響を与えてしまうとしています。