9月11日に、アメリカは同時多発事件13周年を迎えました。13年が経ち、そして、国際テロ組織アルカイダのオサマ・ビンラディン容疑者が殺害されたにもかかわらず、アメリカは新しい試練に直面しています。これは、イスラム教スンニ派過激組織「IS=イスラム国」です。財力や、兵力、残酷さから見れば、イスラム国はアメリカにとってかつてない脅威と見られています。
(写真:ロイター)
2001年9月11日にアメリカで、同時多発テロ事件が発生しました。テロリストらは航空機4機を使って、世界貿易センタービルなどを破壊し、90ヶ国の国籍を持った3000人を死亡させ、全世界に衝撃を与えました。
テロ対策を最優先課題にするアメリカ
同時多発テロ事件前と違って、2001年9月11日以降、アメリカは国際テロの防止・根絶に注力してきました。同国は、国防費を倍増させたほか、対テロ戦争を担当する複数の機関を設立しました。
そのなかで、国家テロ対策センターが中心の役割をしていますが、ほぼ全ての機関が対テロ対策には参加しており、スノーデン事件で世界的にも批判されたNSA=国家安全保障局などで情報が集積されています。テロ対策はアメリカの数千億ドルを費やしてきたと概算されています。
実際、アメリカは、ビンラディン容疑者の殺害を含め一定の結果を収めましたが、テロ根絶という目標を達成するまではまだ遠いです。そして、最近、イスラム国はアメリカの新たな試練として現れています。
イスラム国
イスラム国とは、イラクとシリアで活動するイスラム教スンニ派過激組織です。2014年6月29日に国家の樹立を宣言しました。他のテロ組織と違って、イスラム国は、財力と兵力が強くて、活動範囲が広いです。
各報道機関は、「イスラーム国」のシリアで活動する戦闘員が 5 万人を越え、うち 2 万人 以上が外国人であると報じました。また、イラクでの人数は約1万人であると伝えています。特に、イスラム国は2人のアメリカ人ジャーナリストを相次いで殺害しました。
イスラム国について、アメリカのヘーゲル国防長官は「かつての国際武装組織アルカイダを上回るような統率力、資金力、攻撃性を持ち、アメリカにとって重大な脅威になっている」と認めました。
テロ根絶決意
こうした中、アメリカはテロに対する強固な姿勢を示しています。オバマ大統領は10日夜、イスラム過激派組織「イスラム国」に対処する包括的な戦略について、国民に向けてテレビ演説を行いました。
この中でオバマ大統領は「イスラム国による脅威を後退させるため、アメリカは幅広い連合を先導していく」と述べ、同盟国や中東諸国などと国際的な包囲網を構築し、「イスラム国」を弱体化させ、最終的に壊滅させる決意を強調しました。
アメリカがイスラム国を「かつてない脅威」として見做しており、強固な措置を取る方針を打ち出したことは問題の深刻さを示すものいえます。そして、アメリカの努力が成果を収めるかどうかは焦点となっています。