回復しつつあるベトナム経済

(VOVWORLD) -工業生産、輸出入などは引き続き活気を呈しています。

先ごろ、計画投資省傘下の統計総局が公表した2022年初めの8ヶ月間と8月の経済統計によりますと、ベトナム経済は新型コロナウイルス感染症が流行する前と同程度の成長率を取り戻しつつあるということです。その中で、工業生産、輸出入などは引き続き活気を呈しています。

際立った回復

回復が際立ったのは、購買力が上がったためです。貿易活動とサービス業は2021年同期と比べ高いレベルに回復しています。内訳は、8月の小売と 消費者向けサービス業の売上高が先月と比べ0.6%、また昨年同期と比べ50.2%増加しました。その中で、観光旅行サービスの伸び率は昨年同期と比べ65.4%増となっています。

購買力は国内での生産活動に原動力をもたらしました。8月のIIP=鉱工業生産指数は昨年同期と比べ15.6%増加しました。これにより、年初から8ヶ月間の伸び率は昨年同期と比べ9.4%増となっています。この期間に、新規設立された企業と事業活動を再開した企業の数は約15万社で、昨年同期と比べ31%増加しています。

一方、年初から8ヶ月間の輸出額は昨年同期と比べ17.3%増加すると予測されています。経済開放度が高いベトナムは、17件のFTA自由貿易協定を締結しています。

格付け会社フィッチ・グループ傘下の市場調査会社フィッチ・ソリューションズは、「ベトナムは東南アジアにおいて製造業の中核拠点として浮上している」と評価し、貿易協定などを通じた政府主導の経済自由化の努力、世界的なサプライチェーンへの参画が後押しし、重要性が高まっているとの認識を示しました。

回復しつつあるベトナム経済 - ảnh 1ビン経済専門家(vnexpress撮影)

レ・ズイ・ビン経済専門家は次のように語っています。

(テープ)    

「この期間に、消費者物価指数の伸び率は2.5%増加し、物価上昇率は1.6%に抑えられています。多くの国の経済が低迷している中で、この結果は、ベトナム経済にとって明るい兆しであると言えます」

明るい展望

年初から8ヶ月間のマクロ経済指数が著しく上昇したことで、今年の第3四半期のGDP=国内総生産の伸び率も昨年同期と比べ高いレベルで増加するだろうと予測されています。スタンダードチャータード銀行は、ベトナムの第3四半期のGDP成長率が10.8%に達する可能性があるとの予想を出しました。

しかし、アナリストによりますと、経済の成長スピードを維持するとともに、大国の政策調整によるマイナスの影響を抑制するためには、ベトナムは公共投資の支出実行を加速したり、財政・金融政策を柔軟に運営する必要があるということです。

経済専門家のファン・チ・アン博士は次のように語りました。

(テープ)

「ビジネスとサービス業の伸び率は、 GDP 成長の約 40% を占めています。そこで、これらのセクターをサポートしないと、GDP成長を確保する上でリスクにつながることでしょう」

ベトナムのマクロ経済が安定することは、今年通年のGDP成長に貢献するだけでなく、経済が2023年にも持続的かつ急速に成長するための前提となります。政府、各省庁、地方の運営、企業の努力の下で、ベトナムの経済は引き続き活気を呈するはずです。

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