国の工業化・近代化、および世界経済参入の過程は、労働者階級の開発に新たなチャンスをもたらしています。経済再構築、国営企業の再編と刷新、外国直接投資の誘致、経済セクターにおける新規企業の設立、製品の輸出と労働者の海外派遣の促進、先進技術の輸入と移転、インフラ整備、工業団地と輸出加工地区の建設などは経済のダイナミックな発展を推進すると同時に、数百万人の労働者に新たな労働の機会を創出しています。

労働者階級の開発のために、ベトナムは、労働者階級の育成と開発に関する総合的国家戦略を早期に立案する方針です。労働者階級の育成に向けた基本的な方策は次の通りです。

社会経済の調和的開発を推進すること。ベトナムは、経済の安定的かつ高い成長率を遂げるとともに、健全な文化・社会の調和的開発を確保する一方、労働者、特に労働者階級の物心両面での生活改善、政治的安定の維持、国防安全保障、社会秩序を確保してきます。

国の工業化・近代化に沿った経済発展を遂げること。これに基づき、ベトナムは市場経済の開発と世界経済参入に見合うように経済地区の企画、経済再構築を行うことになります。この方策は、労働者階級の量だけでなく、質の面でも向上させます。

労働者階級の役割、地位、および歴史的使命に関する認識を深めるための宣伝と教育を促進すること。労働者階級が自らの役割、地位を示すとともに、歴史的使命を果たすためには、社会全体規模の宣伝活動を行う必要があります。このことは、社会全体が経済開発事業における労働者階級の役割と地位について深く認識することに役立つからです。

労働者階級の育成訓練システムを徹底的に改革すること。経済のグローバル化の背景の中で、国の工業化・近代化、および、世界経済参入を促進するにつれて、大量の高品質人材力の需要が高まります。そこで、国は、この需要に適宜対応できるよう、大量の高品質人材の建設と発展戦略を立てる必要があります。

労働者階級の物心両面での生活改善に配慮すること。党と国家は、労働者、特に工業団地や輸出加工地区で働いている若手労働者の生活改善に向けた適切な戦略をとる必要があります。当面は、仕事斡旋、住宅、賃金に関する新しい政策を実現することも重要です。

企業での政治・社会組織に対する党の指導方法を刷新すると同時に、企業での政治・社会組織の活動を新時期に見合うように革新すること。この方策は党が自らの指導としての役割を果たすとともに、企業での政治・社会組織の活動を効果的に促進することが狙いです。労働組合に対する党の指導は、市場経済と世界経済参入の背景における労働者階級の保護と発展に貢献するからです。