既にお伝えしましたように12日と13日の両日、ホーチミン市で、「国外在留ベトナム人がホーチミン市の迅速かつ着実な発展、国際社会への参入に尽くす」と題する国外在留ベトナム人による会議が開催され、各国に在留しているベトナム人の代表500人あまりが参加しました。この会議は国外在留ベトナムの知識人、実業家の知恵を同市の発展や緊急課題の解決に活用することが狙いです。
ダナン市のチャンティリー橋
国外在留ベトナム人はベトナム民族の切り離すことができない一部であり、ベトナムと各国との友好の架け橋としての役割を果たしています。これまで、ベトナム外務省は国外在留ベトナム人に対し、祖国での投資や、経営、交流の促進を目指し、様々な活動とプログラムを行なってきました。今回の会議は国外在留ベトナ ム人向けの最大規模のイベントとなっています。
HCM市の科学技術・知識経済の発展に力を
ホーチミン市は東南アジア地域の経済、金融、貿易、科学技術の中心地の1つとなるという目標を設定しています。従って、科学技術とドイモイ=刷新事業は経済社会と知識経済を発展させるための主要な原動力とみられています。現在、同市はスタートアップ環境づくりや科学技術分野での潜在力の活用、情報技術市場の開発に集中しています。
会議で、オーストラリア・メルボルン市のモナシュ大学のブ・レ・ハイ教授は次のような見解を述べています。
(テープ)Hai
「自らの技術を開発するならば、都市、国家の問題を解決できると思います。また、その技術開発事業で先頭に立つだけでなく、外国に輸出することもできます。つまり、我々は技術をマスターしてから、技術の輸入に依存しないようになります。」
一方、「ホーチミン市は知識経済発展への環境づくりや、付加価値の高いサービス、中でも知的財産の保護や、熟練した技術者の育成に集中する必要がある」との意見が相次ぎました。ハンガリー在留ベトナム人のファン・ビック・ティエン博士は科学研究テーマと市場、及び企業の需要を結合させる構想を提出し、次のように語り ました。
(テープ) Thien
「発展事業を奉仕する科学技術研究に対する企業の貢献を強調したいのです。ベトナム人は頭がよく、科学研究に関する様々な国際賞を獲得してきました。でも、科学研究と企業の活動は結ばれていません。科学技術発展基金の設立と大衆化を提案します。また、企業に対し、同基金への募金を求める必要がありま す。」
国の発展に貢献する用意
会議で、国外在留ベトナム人の代表らはスタートアップシティとスマートシティの試験的構築や、教育訓練、経済社会、科学技術、投資奨励などの問題に様々な意見を提出し、ホーチミン市を含め国の発展に対する情熱を表しました。
会議の組織委員会委員長を務めるブ・ホン・ナム外務次官は次のように語りました。
(テープ) O Nam
「会議の成功とは祖国から遠く離れている国外在留ベトナム人が祖国に心を向けていることと、彼らがホーチミン市の指導者、及び市民と力を合わせ、市の発展に尽力する決意を示すことです。」
会議に参加したグエン・スアン・フック首相は、国外在留ベトナム人がこれまで国内の実業家らと緊密に連携して、ベトナムの製品とサービスを外国に輸出するとともに、国内で事業を行なってきたほか、科学技術の研究、教育訓練、慈善活動などに積極的に参加していることを高く評価しました。2015年、国外在留ベトナム人の母国への送金額は125億ドルに達し、投資経営の発展や雇用創出に寄与してきました。フック首相は次のように話しています。
(テープ) O Phuc
「国外在留ベトナム人一人一人は異なる状態に置かれて、あちこちに在住していますが、いつも祖国に心を向けていると信じています。我々は力を合わせ、世界各国と肩を並べられるほどの強力なベトナムの建設に取り組みましょう。」
ホーチミン市は国外在留ベトナム人の意見や、アイディアを参考にして、彼らの知恵と力を活用すると、着実な発展と国際社会への参入の強化が図られるでしょう。