将来に向うベトナムとアメリカ


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チャン・ダイ・クアン国家主席とオバマ大統領

既にお伝えしましたように、25日午後、アメリカのオバマ大統領はホーチミン市を発ち、23日からのベトナム公式訪問を成功裏に終えました。この訪問は、政治、経済、国防・安全保障、教育などあらゆる分野で両国関係の新しい発展段階を切り開きました 。

両国が国交正常化の開始以来、アメリカ大統領がベトナムを訪問するのは今回で3回目です。これは、両国関係が良好に発展していることを示すものであり、また、その関係が明るい将来を迎えていることの証でもあります。

全面的パートナーシップを強化

訪問期間中、オバマ大統領は正式に、「アメリカはベトナムに対する武器禁輸措置を完全に撤廃する」と発表しました。オバマ大統領は「ベトナムに対する武器禁輸措置の全面解除により、両国の全面的な関係正常化が図られる」と述べました。

また、「この禁輸措置の解除は、長年続いてきたベトナムとの関係正常化過程を終結させようとする希望によるものだ」としました。また、アメリカ側は、海上警察の活動で協力を強化することにも同意しました。

実際、ベトナムにとって、この決定は重要な意義を持つものです。ベトナムは、あらゆる紛争を平和的措置で解決すべきであるという平和的路線を実施していますが、国家主権を保護するために国防力を向上させる必要があるからです。

オバマ大統領のベトナム訪問にあたり、24日、両国は共同宣言を出しました。その中で、2013年、調印された両国の全面的パートナー関係に関する 宣言と両国関係の発展ビジョンに関する宣言に沿ってこれまで両国間は実質的な進展を見せるなど、両国関係の広範な発展は地域と世界の平和、安定、協力、国際法の尊重に取り組んでいる国際社会の共通の努力に貢献してきたとしています。

経済分野に関し、貿易、投資、科学技術、人材育成、気候変動への対応における協力を強化する決意を示し、双方間の信頼醸成は長期的な友好と持続的な協力関係の構築にとって重要な意義があるという認識で一致しました。

また、TPP=環太平洋経済連携協定は両国間の商取引と投資の促進、雇用創出の上で戦略的なものであるとしています。アメリカはベトナムにTPPの高い基準を満たすよう、技術援助や能力向上プログラムを通じて、支援すると表明しました。

未来を見据えた志向

さらに、開発協力は双方関係の原動力であり続けると強調する一方、草の根外交の促進を支持し、両国国民の相互理解と協力の強化を目指しています。20年前、毎年アメリカを訪問するベトナム人観光客の数はおよそ6万人程度でしたが、現在は、約50万人に達しています。20年前、両国間の貿易額は、4億5000万ドルしかありませんでしたが、現在は、100倍に増加しています。

そして、20年前、アメリカに留学するベトナム人学生の数は、およそ1000人程度でしたが、現在は、1万9000人に上っています。これらは、「過去を棚上げにし、相違点を克服、類似点を発揮する未来志向」という精神に沿って両国関係を発展させるための双方の努力の結果といえます。

この精神は、2015年7月に行われたアメリカ訪問の際に、ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長がホワイトハウスでオバマ大統領に伝えたものですが、今回のオバマ大統領のベトナム訪問はその精神を再確認するものと評されています。そして、この訪問は、ベトナムとアメリカが敵国同士から全面的パートナーになっていることの証といえるでしょう。

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