ハノイで開催中の第13期国会第9回会議は、今年と向こう数年間の経済社会発展の任務と措置について討議しました。ベトナム経済が回復の道を辿っている背景の中で、持続可能な開発はベトナムの目標となっています。
2011~2020年期の経済社会発展戦略の中で、ベトナムは、市場経済体制の完備、高質人材の開発、インフラの近代化という3つの戦略的突破口を掲げて、ドイモイ事業を全面的に推進することにしています。これは、2020年までにベトナムが基本的に近代的な工業国になる目標の達成に寄与すると期待されています。当面、今年中、ベトナムはGDP国内総生産高の伸び率を6・2%に、輸出額の増加率を10%にし、およそ160万人の雇用を創出することに取り組んでいます。
メリットと試練
2014年と年初以来数ヶ月の経済社会発展状況に関する政府の報告によりますと、ベトナム経済が今後も好転します。2014年に、ベトナムは、マクロ経済の安定化、インフレの抑制、社会福祉の確保に関する目標を達成しました。特に、2014年のGDP伸び率は5・98%に達し、CPI消費者物価指数は1・84%に抑制され、輸出超過額は21億ドルでした。ホーチミン市選出のチャン・ホアン・ガン国会議員は次のように評価しています。
(テープ)
「まず、経済が成長し、インフレ率が4年連続で低下しました。また、投資活動は引き続き改善されています。そして、経済の再構築は一定の成果を収めました。」
その一方で、ベトナムは様々な困難と試練に直面しています。それは、経済成長の質は高くないし、3年ぶりに輸入超過となることは金融政策と為替相場の安定にマイナス影響をもたらしているということです。そして、予算の支出超過は公的債務残高の増加に繫がっています。
足並みを揃えて方策を実現する
国会の討議では、多くの議員は、最も重要的かつ長期的な方策は成長モデルの刷新を経済の再構築と結び付けて断固として実現しなければならないという事であると明らかにしました。その中に、公的投資の再構築、国営企業の再編などを推進しなければなりません。
ホアンビン省選出のグェン・カオ・ソン国会議員は次のように提案しています。
(テープ)
「政府は、2016~2020年期の国家予算案を立てると共に、農業農村に投資プロジェクトを行なっている企業を補助する必要があります。また、政府が国会に2016~2020年期の政府債券の発行を提出することも重要です。」
一方、ライチャウ省選出の国会議員ブイ・クアン・ビン計画投資大臣は「ベトナムは外国投資家をさらに誘致すると共に、政府は引き続きインフレ率を現行の約5%に抑制しなければならない。」と提案し、次のように分析しています。
(テープ)
「インフレ率を安定させると同時に、経済成長を確保しなければなりません。この数年間にわたり、政府は、インフレの増加率が5~7%に達すると予測しています。その率は合理的なものです。その他、企業の資金調達、及び投資の円滑化を図るため、金融政策を緩和する事も重要です。」
政策と法の整備
国会は、経済成長に有利な条件を作り出す為には、政策や法の整備は現在の差し迫った任務であると認めています。ホーチミン市選出のチャン・ズ・リック議員は次のように語っています。
(テープ)
「私の見解では、全ての政策や法を再検討しなければなりません。全ての企業に平等な経営環境を作り出す必要があります。グローバル化の時代では、企業にとって最も大きな試練は、企業の存在と発展のために競争しなければならないという事です。」
経済社会の持続可能な発展はベトナムの戦略的な選択肢となっていることです。