(VOVWORLD) - 「即位の礼」の中心儀式「即位礼正殿(せいでん)の儀」が5月1日に天皇陛下が即位されてから約半年となった10月22日、皇居・宮殿で国事行為として行われました。陛下は改めて古式装束「黄櫨染御袍」に身を包み、玉座「高御座」で即位を宣明されました。
(写真:DPA) |
「即位の礼」には190の国々と国際組織から約2千人が出席しました。「即位の礼」のための費用はおよそ160億円になるということです。
日本政府は、今年4月1日、「平成」に代わる新しい元号を「令和」に決めました。出典は日本の古典「万葉集(まんようしゅう)」としました。中国古典ではなく、日本の古典から採ったのは確認できる限り初めてです。天皇陛下の退位に伴い、5月1日午前0時から新元号「令和」に切り替わりました。平成は1989年1月8日からの30年4カ月で幕を閉じました。「令」が元号に使われるのは初めてです。
関係者によりますと、日本政府は元号に関する懇談会などで、「令和」を含む計6案を提示しました。中国古典を出典とする案もあったということです。令和は万葉集巻五、梅花の歌三十二首の序文、「初春の令月にして気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭(らん)は珮(はい)後の香を薫らす」から引用しました。新元号に関する政令は天皇陛下が署名し、公布しました。
一方、日本外務省はこの表記で195カ国や国際機関に通知しました。新元号公表後、安倍晋三首相は記者会見で談話を発表し、令和について、「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ、という意味が込められている」と説明しました。
出典とした万葉集に関しては、「我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書だ」と述べました。実際、日本国民は新時代に期待をかけています。「明るい良い時代になってほしい」、「平和な時代にありがとう」という意見が相次ぎました。
経済問題に関して、「平成時代の日本経済はバブル崩壊後の長期低迷期が続く暗い時期たったが、令和時代はこれが一転して明るい時代となる」という希望が広がりました。
また、「令和の時代の日本は外国人労働者や訪日外国人が一段と増え、異なる価値観や文化的な背景を持った人々が共存するコスモポリタン的な社会へと移行していくだろう。令和の文字通り、美しい調和に支えられた成熟経済としての様相を強めるのではないか」との予測も出されています。
国際世論は、「令和時代の始まりにより、日本は新時代に入った。その時代には、平和、発展、繁栄など素晴らしいことに関する日本国民の祈願が現実になるだろう」との希望を表明しています。