朝鮮半島情勢をめぐる問題

(VOVWORLD) - 朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射が地域情勢の緊張を増し、朝鮮半島の非核化プロセスを脅かすのは事実です。この5年間、同国はその行動を繰り返しており、そして、国際社会の制裁措置は効果をもたらしていません。

緊張が続く朝鮮半島情勢に変化の兆しが見え始める中、朝鮮民主主義人民共和国は再びミサイルを発射しました。国際社会の制裁にもかかわらずミサイル発射実験を続ける朝鮮民主主義人民共和国の真の目的は何でしょうか。これはアナリストらにとって分かりにくいものと見られています。

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北側は新型の中長距離戦略弾道ミサイル「火星12」型の発射実験が14日に行われ、成功したと報じました。ミサイルは「最大高度2111.5キロまで上昇し、距離787キロの公海上の目標水域に到達した」ということです。これは、年初から7回目、そして、金正恩(キム・ジョンウン)氏が党委員長に就任した2012年から20回目の発射となっています。

ミサイル発射をめぐる問題

北側のこの発射に関して、韓国側は、「これは朝鮮半島をはじめ全世界の平和を脅かす行動である」と強く批判しました。また、アメリカは域内の同盟国と会合を行い、新たな制裁措置について協議しました。

前回と同様、アメリカとその同盟国は国際社会に対し、北側がミサイル・核開発を停止するように圧力を加えるよう呼びかけています。同時に、韓国軍隊は警戒レベルを上げています。域内でのアメリカの軍事プレゼンスと共に、これらの動きにより、朝鮮半島情勢が戦争の瀬戸際に達しているようです。

アナリストらは、「韓国で発足したばかりの文在寅(ムンジェイン)政権を圧迫しても得られるものはなく、北側への圧力で連携する中国とアメリカに対抗する姿勢を示したのだろう。特に、中国の言いなりにはならないという意思表示ではないか。中国が重視するシルクロード経済圏構想「一帯一路」の国際会議を狙ったかのようだ」と分析しました。

北側はなぜこのタイミングで弾道ミサイルを発射したのか。これに関し、アナリストらは、「韓国で発足したばかりの文在寅(ムンジェイン)政権を圧迫しても得られるものはなく、北側への圧力で連携する中国とアメリカに対抗する姿勢を示したのだろう。特に、中国の言いなりにはならないという意思表示ではないか。中国が重視するシルクロード経済圏構想「一帯一路」の国際会議を狙ったかのようだ」と分析しました。

また、「前回の核実験や大陸間弾道ミサイルの発射はアメリカとの本格的な対決につながりかねず、強行しなかった。一方で、アメリカ・中国に抑え込まれたとの印象を避けるため、射程の短いミサイルの発射に至ったのだろう。自らの交渉力を高めるため、中距離ミサイルの実験は続ける構えだ。アメリカとの交渉でミサイル実験の凍結で譲歩する事態も想定し、その前にやっておく意図もあるはずだ」と指摘しています。

 

制裁は効果的な解決策となるか

朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射が地域情勢の緊張を増し、朝鮮半島の非核化プロセスを脅かすのは事実です。この5年間、同国はその行動を繰り返しており、そして、国際社会の制裁措置は効果をもたらしていません。

今回も、国連安全保障理事会はそれを強く非難する声明を発表し、北側に制裁を含む追加措置を取ると言明しました。

しかし、アナリストらは、制裁の効果を疑問視し、「関係各側が譲歩せず、建設的な交渉を実施できない限り、問題が徹底的に解決できず、朝鮮半島情勢の緊張が引き続き高まっていく」と懸念しています。

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