(VOVWORLD) -1961年から1971年までの期間に、アメリカ軍はベトナム南部のおよそ4分の1に8000万リットルの毒性ある化学物質を散布しました。
中部ダクノン省の枯葉剤被害者へ贈り物を手渡す |
毎年、8月10日のベトナム枯葉剤被害者の日がやってくると、ベトナム全国各地では枯葉剤被害者の痛みと苦しみを分かち合うための様々な支援活動が活発に行われています。
枯葉剤には猛毒ダイオキシンが含まれており,人類が知る化学物質の中でも桁外れの劇毒性を持つダイオキシンは激しい発ガン性と催奇形性をそなえています。アメリカ軍が今から57年前に、ベトナム戦争中に枯葉剤を使用しました。1961年から1971年までの期間に、アメリカ軍はベトナム南部のおよそ4分の1に8000万リットルの毒性ある化学物質を散布しました。その中の60%以上は枯葉剤、ダイオキシンです。これらの毒性化学物質は自然環境と人間の健康に悪影響を与えました。
実際、アメリカ軍がベトナムで行なった化学戦争は人類の歴史の中で、最も長期的で、大規模なものであり、人体と環境に最も甚大な被害を及ぼしたと言えます。
深刻な後遺症
統計によりますと、現在、枯葉剤を浴びたベトナム人の数は480万人、化学戦争の被害者数はおよそ300万人です。その中の数十万人は既に死亡し、数十万人は難病で苦悩しています。特に、その被害は、第2、第3世代だけではなく、第4世代までも影響が及んでいます。中部クアンチ省に住む枯葉剤被害者の一人グェン・タン・ダウ( Nguyen Tan Dau) さんは次のように語っています。
(テープ)
「1968年から1971年までの戦争中、中部の戦場に参戦していました。私は枯葉剤の被害を受けたので、現在、多くの病気にかかっています。子ども10人を儲けましたが、すでに5人は死んでしまい、残っている5人の内の1人は奇形児です」
現在、枯葉剤を浴びたベトナム人の数は480万人、化学戦争の被害者数はおよそ300万人です。その中の数十万人は既に死亡し、数十万人は難病で苦悩しています。特に、その被害は、第2、第3世代だけではなく、第4世代までも影響が及んでいます。
ベトナム保健省によりますと、現在、世界医療は枯葉剤により発症した17種類の病気を確認しました。ダイオキシンは人の循環器、呼吸器などに影響を及ぼし、被害者の免疫低下の原因となります。
ベトナム共産党と政府の特別な関心
ベトナム共産党と政府は人々と環境に対する枯葉剤被害の克服に特別な関心を寄せてきました。1998年以来、ベトナム国会は枯葉剤被害を対象にした優遇政策の実施を規定する法令を3回にわたり可決しました。毎年、ベトナム政府は枯葉剤被害者の健康ケア、リハビリ治療、環境汚染の消毒のため、予算から10兆ドン(約500億円)を拠出しています。
注目すべきことはアメリカ政権とアメリカ製薬会社に対し、ベトナム枯葉剤被害者への支援を求める運動が初歩的な成果を収めたことです。2011年以来、アメリカ国会はベトナム中部ダナン空港を中心に、ダイオキシン汚染地域における除去計画とダイオキシンの「ホットスポット」の付近に住んでいる人々への医療サービスの補助計画を可決しました。その他、アメリカのいくつかの非政府組織は環境汚染の消毒と医療サービスの支援プロジェクトに参加しています。
国内外の力を動員
しかし、これらの支援活動はベトナム枯葉剤被害者が耐えている苦しみと比べると、まだほんの少しだと言えます。社会全体がベトナム枯葉剤被害者協会の呼びかけに積極的に応援しています。国家慈善クラブのファム・バン・トイ( Pham Van Toi) 会長は次のように語りました。
(テープ)
「私は幾度も枯葉剤被害者の元を訪れ、贈り物を手渡してきました。彼らは苦しい生活を送り、その中の多くは自立した日常生活もできません。これを前に、自分が枯葉剤被害者を支援するためさらに取り組むと共に社会全体に対し、枯葉剤被害者を支援するよう呼びかけたいのです」
現在、海外のおよそ100の非政府組織は経済社会発展プロジェクトを通じて、ベトナムの枯葉剤被害者を直接的、または、間接的に支援しています。ベトナムは2020年をめどに枯葉剤被害を基本的に克服するという目標を掲げていますが、この目標を実現するため、政府、社会団体の努力の他、アメリカの製薬会社を始め、国際諸組織の支援は非常に重要な意義を持つことでしょう。