米中貿易交渉への強硬な発言の裏には

(VOVWORLD) -トランプ大統領は6日、ツイッターを通じて、「2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税率を10日から現在の10%から25%に引き上げる。
米中貿易交渉への強硬な発言の裏には - ảnh 1 トランプ米大統領(左)と習近平中国国家主席=CNBC

現在、追加関税措置を課していない3250億ドル相当の中国製品についても、近く25%の追加関税措置を発動する」などと発言しました。中国商務省の発表によりますと、対米貿易交渉の責任者・劉鶴副首相は5月9日と10日の2日間、アメリカを訪問してライトハイザー通商代表らと協議を行うということです。しかし、アメリカのトランプ大統領は、これまで延期してきた中国製品への追加関税を10日に引き上げると表明していて、今回の米中協議はこの引き上げのタイミングと重なることになります。

アメリカ側の発言による影響

アメリカのトランプ大統領が、中国に対する制裁関税を引き上げると表明したことにより、上海や香港の株式市場では、株価が大幅に下落しました。6日、上海の株式市場では、代表的な総合指数が前営業日の終値と比べ5.58%下落し、取引を終えました。最近は、米中貿易交渉が進展するとの期待があり、ことし3月の上海の総合指数は、昨年末に比べて3割以上、上がっていましたが、トランプ大統領の対中関税の引き上げ表明を受け、6日の終値は、今年最大の下げ幅となりました。また、香港の株式市場でも、ハンセン指数が2.9%下がりました。

市場関係者は、米中貿易交渉が先行き見通せない情況では、下落局面が続くだろうとの見通しを示しています。

強硬な圧力

トランプ氏はこれまでに通商協議の進展状況や習近平国家主席との関係について前向きな発言をしてきており、関税引き上げの表明は大きな方向転換となります。

2018年9月に、劉鶴副首相がアメリカを訪問する予定でしたが、トランプ大統領は2000億ドル相当の中国製品に追加関税を課す計画を発表しました。中国もこれに対抗する格好で、アメリカからの輸入品1100ドル相当に報復関税を課しました。さらに、習近平国家主席は、劉鶴副首相によるアメリカ訪問の取り消しを決定しました。

2018年12月初めから、トランプ大統領と習近平国家主席は、通商協議を開いて打開策を探ってきました。数回の協議が行われ、双方は、一定の前進を遂げましたが、幾つかの技術的な問題が今なお解決できないという状態です。両国間の通商協議で技術移転の強要や知的財産権侵害などの問題に完全に対応できないことです。

トランプ大統領が、中国製品に追加関税を引き上げると表明したことは、中国と世界各国を驚かさせました。しかし、アナリストの見解によりますと、トランプ氏の対中関税引き上げ表明は、利益を取り込みたい意図に過ぎないということです。さらに、最近、アメリカ経済が、明るい兆しを見せています。これは、アメリカが今回の協議で勢いを強める目的で、中国に圧力を加える基礎であるかもしれません。

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