(VOVWORLD) - 5日、アメリカと中国は互いに、複数の報復措置を取りました。これらは両国間の貿易戦争の危険性を増しています。また、これらの動向は、両国が緊張を緩和させたくないことを示すものと評されています。
(写真:taichinh.vn) |
米中貿易戦争は経済面での摩擦であるだけでなく、これらの大国の政治面での対立にも発展しており、世界に不安定をもたらしています。
応酬相次ぐ
この24時間、中国はアメリカに対し、強固な姿勢を示しています。トランプ大統領は、「9月1日から、中国からの3000億ドル相当の輸入品にも10%の関税を上乗せる」と明らかにしましたが、中国人民銀行(中央銀行)は5日朝、人民元の対ドル相場の基準値を昨年12月以来の低水準となる1ドル=6・9225元に設定しました。
アメリカ側の新たな制裁関税によってすべての対米輸出品に追加関税がかけられる公算が大きくなる中、元安は影響を緩和し、輸出を後押しする効果があるとみられています。また、中国の国家発展改革委員会と商務省は、「8月3日以降に取引が成立したアメリカからの輸入農産品について、追加関税を課す可能性を現時点で除外していない。
関連の中国企業はアメリカの農産品の購入をすでに停止した」と発表しました。トランプ大統領は、「中国は通貨を歴史的な安値まで引き下げた。これは為替操作と呼ばれる」とツイッターに書き込みました。
悪影響
米中貿易戦争は全世界にマイナス影響を与えています。週明け5日のニューヨーク株式相場は、米中「貿易戦争」の激化を懸念した売りがふくらみ、大幅続落しました。1日の下げ幅としては今年最大となりました。ニューヨーク株式市場での株価の急落を受けて、6日のアジアの株式市場も取り引き開始直後から売り注文が広がり、各地で株価は軒並み下落しています。
このうち、上海の株式市場は、日本時間の6日午前11時半時点で、代表的な株価指数の「総合指数」が5日の終値と比べて、およそ2.7%下落しています。ほかのアジア各地の代表的な株価指数も、前日の終値と比べて、香港がおよそ2.8%と大きく値下がりしているほか、シンガポールがおよそ1.4%、台湾がおよそ1.2%、韓国がおよそ1%などと軒並み下落しています。
市場関係者は、「投資家の間でリスクを避けようという姿勢が強まっている。さらにアメリカが中国を為替操作国に認定し、両国の対立が一段と激しくなるという見方も高まっている」と話しています。
こうした中、アナリストらは、「今後も、米中貿易戦争は複雑に推移し、地域の取引モデルの変化につながる可能性がある」と分析し、「各企業は成長を確保するために、できるだけ早く対策を講じる必要がある」と勧告しています。