米朝緊張 エスカレート


アメリカのトランプ政権が朝鮮民主主義人民共和国への軍事的圧力を強めています。化学兵器の拡散阻止を理由としたシリア攻撃に続く「力の誇示」というトランプ政権の姿勢ですが、紛争勃発につながる恐れがあります。

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アメリカのカール・ビンソン空母(写真:VNA)

緊張エスカレート

現在、米軍は空母を朝鮮半島近海へ向かわせています。ロナルド・レーガン空母戦団とボノム・リシャール強襲揚陸艦戦団に加えて、オーストラリアへ向かっている途中でUターンしたカール・ビンソン空母戦団まで合わせて3個の空母級戦団が朝鮮半島周辺海域に集結しています。

そして、トランプ大統領は、ツイッターで「北朝鮮は自ら困った事態を招こうとしている」とし、中国なしでもアメリカ単独で問題を解決する用意があると述べました。

核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す朝鮮民主主義人民共和国は、今月15日に金日成主席生誕105年、25日には朝鮮人民軍創建85年を迎えます。アメリカの空母急派などには、こうした節目に再び軍事的な挑発行動に出ないよう、朝鮮に圧力をかけるとともに、中国に、より積極的な関与を促す狙いがあるのでしょう。

紛争勃発か

朝鮮民主主義人民共和国はアメリカ軍の動きを「無謀な侵略策動」と非難し、アメリカ軍の軍事行動があれば「喜んで対応する」などと激しく反発しています。

先日のシリアへのミサイル攻撃でトランプ政権の強硬姿勢が鮮明になっている背景の中で、今回の米朝緊張は紛争勃発につながる恐れがあります。しかし、シリア攻撃のケースと、朝鮮への対応には違いがあると、政治アナリストらは指摘しています。

内戦状態のシリアの場合、アサド政権は反政府組織に攻撃はできても、米軍や他国への反撃は不可能に近いです。それに対し、朝鮮は核保有国であると共に、軍事境界線沿いに長距離砲を配備するなど反撃手段を持っています。韓国や日本、駐留米軍基地などへの報復措置による被害は無視できません。このことから、朝鮮攻撃は簡単ではなく、トランプ政権の空母派遣は、危機や問題を回避するための牽制という意味合いが強いとされます。

中国の習近平国家主席は12日に行われたトランプ大統領との電話会談で「すべての当事国が平和的かつ対話と協議を通し対立を解消し、朝鮮半島の平和と安定に共に取り組むべきだ」と語り、朝鮮半島非核化へのコミットメントをあらためて表明しました。

これにより、アメリカと朝鮮民主主義人民共和国は双方とも、赤い線を越えないようにと世界の人々は期待しています。


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