米朝関係の新しい段階始まるか

(VOVWORLD) - 12日に行われた史上初となるアメリカのトランプ大統領と朝鮮民主主義人民共和国のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長による米朝首脳会談 が国際世論の特別な関心を集めています。この会談は米朝関係の新しい段階を切り開くだけでなく、朝鮮半島での非核化と平和にとっても歴史的転換点になると 評されています。

米朝首脳会談は、現地時間の午前9時すぎから、シンガポールのリゾート地にある高級ホテルで始まりました。北側の完全な非核化や、65年間休戦状態が続く朝鮮戦争の終結につながるのかが最大の焦点となっています。

米朝関係の新しい段階始まるか - ảnh 1              (写真:AP)

首脳会談に繋がる道のり

1年前には、米朝関係をはじめ朝鮮半島情勢が今日のような好転を見せるとは想像もできませんでした。2017年6月中旬、北側のマスメディアは、「我が国は米州も射程内に収めるICBM=大陸間弾道ミサイルを製造可能となる」と報じています。

そして、数週間後、アメリカが7月4日の独立記念日を祝う中、「初のICBMの発射で成功した」と発表しました。それ以降、北側は連続してミサイル発射実験を行ってきました。特に、2017年9月、北側は6回目となった核実験を行いました。これらの動きはピョンヤンとワシントンの関係を悪化させました。

しかし、今年に入ってから、ピョンヤンが善意を示していることから、情勢は急変してきました。北側が今年1月に2年ぶりに南北ホットラインを再開したことは積極的な外交活動の始まりとなっています。そして、2月、北側の最高指導者の妹はピョンチャン冬季五輪にあわせ韓国を訪問しました。

続いて、4月と5月に、南北首脳会談が2回にわたり行われました。双方は板門店宣言を発表し、朝鮮半島での非核化や、朝鮮戦争の終結を視野に入れました。南北首脳会談も今回の米朝首脳会談への道を切り開いたものの1つとされています。

米朝関係の新しい段階始まるか - ảnh 2        (写真:Straits Times/Getty Images)

関係各側の外交面での勝利

実際、トランプ氏とキム氏の最初の会談は、南北朝鮮関係改善のための活動を含め関係各側の努力によるものといえます。その中で、穏健な政策をとっている韓国のムン・ジェイン大統領は米朝を結びつける架け橋としての役割を果たしています。ムン氏は北側に親善姿勢を示しながら、トランプ大統領に対し北側の最高指導者との直接会合を行うよう提案しました。

一方、北側もアメリカ側も今回の首脳会談を自国の外交勝利と見なしているといえます。アメリカ側は、北側が譲歩して交渉に復帰し、核・ミサイル開発を停止することを「大きな成果」としています。

そして、北側は、アメリカが交渉を受け入れることを「外交勝利」と見なし、「キム委員長がトランプ大統領と共に会談に臨むことは国際社会における朝鮮民主主義人民共和国の地域が高まっていることを示すもの」としています。

アナリストらは、「このおよそ70年間敵対してきた米朝間の不一致点は、一回の首脳会談で完全に解決できないが、今回の会談は大きな前進の一歩であり、双方に関係改善のチャンスをもたらし、朝鮮半島での平和・安定に貢献する」と分析しています。

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