(VOVWORLD) - アメリカ・朝鮮民主主義人民共和国の首脳会談に対するアメリカのトランプ大統領の態度が急変しましたが、この数日、両国の高官らはこの会談の開催のために取り組んでいます。両国の立場の隔たりは大きいですが、国際世論は両国関係のリセットを望んでいます。
アメリカのトランプ大統領は5月24日、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長に書簡を送り、北側の「激しい怒りとあらわな敵意」を理由に会談中止を通告しましたが、翌日には、「会談は予定通りに開催される可能性がある」と言明しました。それから、両国の高官らは会談開催のための準備に労力をかけてきました。
対話に関する双方の需要
トランプ大統領から首脳会談の中止通告を受けた後も、北側はいかなる「激しい怒り」も表わさず、逆に、柔軟な態度を示し、「いつでもワシントンと対話する用意がある」と再確認しました。
北側は言葉にとどまらず、具体的な行動で自国の善意を表明しています。5月26日に南北朝鮮の軍事境界線である板門店で行われたキム委員長と韓国のムン・ジェイン大統領との会合はその証です。この1ヶ月だけで、南北の首脳らは2回にわたり接触しましたが、これはかつてないことです。
韓国大統領府によりますと、両首脳は「米朝首脳会談の成功」などを議題に意見を交換しました。一方、アメリカ側も取り組んでいます。アメリカ国務省は5月27日、米朝首脳会談に向けた準備が進む中、アメリカ代表団が南北軍事境界線上の板門店入りし、北側の政府関係者らと協議を行っていると発表しました。
また、北側のキム・チャンソン国務委員会部長とアメリカのヘイギン大統領次席補佐官が29日にシンガポールで会合し、首脳会談の具体的な開催日程や、場所、儀典、警護など実務面を協議したことも明らかになっています。
これらの動きは、双方が対話し関係を改善させたい意向にあることを示すものとされています。従って、行き詰まっていた朝鮮半島での核問題解決プロセスの突破口が切り開かれることに関する期待度が高まっています。
隔たりの縮小
米朝両国が首脳会談を予定通りに開催するために取り組んでいる中、「朝鮮半島での非核化に関する米朝間の立場の隔たりが縮小される見通しである」との楽観論が出ています。
韓国のムン大統領は27日、ソウルの大統領府で記者会見し、前日の26日に北側のキム委員長との会談の結果を説明しました。キム氏は会談で改めて「完全な非核化」の意思を示し、6月12日の米朝首脳会談開催に向け、アメリカとの実務協議を行う考えを明らかにしたということです。
米朝首脳会談の開催予定日が近づいています。この会談が予定通りに開催できるかどうかは判断しにくいのですが、世論は、「現在の双方の努力は、米朝関係や、朝鮮半島での非核化プロセスの改善に前提を作り出す」と分析しています。