越米協力の目玉とみられる教育協力


1995年に正常化したベトナムとアメリカの関係において、経済協力のほか、教育協力も目立っています。約1万7千人のベトナム人がアメリカで勉強していることや、教育分野における複数の協力プログラムが成功していることなどはベトナムの人材育成だけでなく、両国の文化交流と相互理解の深化に貢献しています。


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HCM党委員会委員長がアメリカ側にフルブライトベトナム大学に投資証明書を手渡す

2015年7月10日はベトナムとアメリカの教育協力にとって大きな節目となりました。その日、ニューヨークで、アメリカを訪問中のベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長の立会いのもと、フルブライト・ベトナム大学に投資証明書が渡されたのです。投資総額7千万ドルのこの大学は、ハーバード大学がアメリカ政府の支援によってホーチミン市で設立した非営利の私立大学です。

アメリカのマイケル・ミチャラク元ベトナム大使は、「ベトナムは国際大学の投資を誘致したほうがいいと思う」と述べ、次のように語りました。

(テープ)

「国際大学のベトナムでの教育施設設立を奨励するのはベトナムの教育にとって非常に重要です。フルブライト・ベトナム大学の設立を進めているハーバード大学のほか、アメリカの多くの大学もベトナムで施設を開設しようと思っています。ベトナムはこうした計画が実現されるために、いろいろと改革しなければならないと思います。」

現在、ベトナムは、約1万7千人の留学生がアメリカで勉強していることによって、留学生数のランキングで、ASEAN東南アジア諸国の中で1位、世界各国の中で8位になっています。これらの留学生は、アメリカで勉強した知識と経験が豊かで、ベトナムの貴重な人材となっています。

アメリカ企業で働いている元留学生ヴォ・ホアン・アンさんは次のように話しました。

(テープ)

「若者はいつも新しいことを勉強したいのです。アメリカに留学するとき、学校で勉強した知識のほか、いろいろなことを勉強したいと思います。だから、ほとんどの留学生は卒業後、アメリカで数年間就職してから帰国しようと思っています。アメリカで積んだ知識と経験を持って帰って国に貢献したいのです。」

現在、ベトナム人留学生のほとんどは自費でアメリカへ留学していますが、ベトナム人を対象とする奨学金が増えつつあります。その中で、アメリカ政府が設立したベトナム教育基金はベトナムの多くの優秀な若者にアメリカへの留学チャンスを与えています。今まで、この基金の奨学金でアメリカへ留学した学生の数は500人以上で、その中で、300人が卒業しました。

ベトナム教育基金の担当者サンディ・ダン氏は次のように語りました。

(テープ)

「この20年、 教育協力はベトナムとアメリカの関係強化に大きな貢献をしていると思います。この協力は、ベトナムの学生にアメリカの有名な大学での学習チャンスを与えるだけでなく、両国の文化交流の拡大にも役立っています。ベトナム人留学生はアメリカでベトナムの文化をピーアールしています。教育協力は両国間の距離を縮めると思います。」

ベ トナム教育基金は、ベトナム人学生に奨学金を提供すると共に、アメリカの各大学と協力して、ベトナムの大学教育と大学院教育について研究しています。こうした研究により、この基金はベトナムの教育改革に関する多くのアドバイスを出しています。

ダンディ・ダン氏は、「この基金はアメリカの各大学の協力を得て、ベトナムの状況にふさわしい教育モデルの構築に取り組んでいる」と述べ、次のように語りました。

(テープ)

「私たちは、アメリカの教育モデルを全部適用することではなく、ベトナムの教育基盤に基づいて適用します。これは重要だと思います。私たちは、ベトナムのニーズに応えられるような教育モデルの構築を支援する用意があります。」

アメリカ政府は、ベトナム教育基金のほか、フルブライト奨学金や、高校の英語教師育成プロジェクトなど、ベトナム教育の発展を目指す一連のプログラムを展開しています。こうした教育協力は、両国の全面的パートナーシップの発展に貢献することでしょう。



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