(VOVWORLD) -2020年に入り、米中関係との緊張関係が悪化の一途を辿ってきました。
アメリカと中国との関係は長年来、国際関係の重点となってきましたが、トランプ政権になってから、アメリカは中国を第一の戦略的競争相手と見なし、強固な政策を実施してきました。2020年に入り、米中関係との緊張関係が悪化の一途を辿ってきました。
あらゆる分野における全面的競争
2020年に発生した新型コロナウイルス感染症がもたらすパンデミックは両国間の緊張関係をエスカレートさせました。トランプ政権は幾度も中国に対し、このパンデミックに関する情報を十分に提供しないとした上で「故意の責任があるなら、もちろん報いを受けなければならない」と警告しました。
また、トランプ氏は演説の中で新型コロナ肺炎ウイルスを「中国ウイルス」と呼び¥、アメリカ軍がウイルスを中国に持ち込んだとする説に反論しました。一方、中国外務省は、アメリカのメディアの本件に関する報道を、「科学的根拠がない」として否定しました。
続いて、2020年7月、アメリカ政府は中国がアメリカの知的財産を盗んでいること、および、違法な大規模なスパイ活動を行うとして、テキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を命じました。そして、中国は対抗措置として湖北省武漢市のアメリカ国総領事館の閉鎖を検討しており、米中関係は急速に悪化してきました。
その他、米中間の対決は貿易問題、技術競争問題、インターネットの安全性の問題、台湾問題、香港問題等、多くの問題に広がっています。
政策の改正と対決
米中関係が悪化するなか、アメリカの対中国政策が曲がり角を迎えています。アメリカと中国が外交関係を樹立して以来この40年間、アメリカの歴代政権が基本に据えてきた、中国と一定の関係を保持しながら変化を促す「関与政策」を実施してきました。
しかし、2020年にトランプ政権は、中国に対する従来の「関与政策」が失敗した反省に立って、中国をアメリカの「戦略的競争相手」としてとらえるようになりました。この点について、ホワイトハウスは、2020年5月20日に「中国に対するアメリカの戦略的アプローチ」を発表しました。
その中で、トランプ政権は、中国共産党の意図と行動を冷静に見極めるとともに、アメリカの戦略的優位性と欠点を再評価し、二国間の摩擦の増大を覚悟した上で、中国に対して競争的アプローチを採用するようになりました。注目すべきことはトランプ政権の中国に対するこのような厳しい立場は上下両院の支持を受けているということです。
アメリカと中国との戦略的競争は世界の政治的情勢に影響を与え、アメリカの新政権が誕生してもあまり変化がないと予測されていますが、2021年に、両国関係には大きな対立が発生しないことも予想されています。