2014年に、ベトナム経済は多くの重要な成果を収めました。GDP=国内総生産伸び率が目標値を上回ったことや、インフレ率が10年ぶりの最低水準となっていること、投資経営環境改善に関する政策が効果をあげていることなどはその証と見られています。
特に、ベトナム政府は経済の再構築や、行政改革、投資経営環境の改善に努力すると同時に、マクロ経済の安定を維持してきました。
効果的マクロ経済政策
政府の指導のもと、2014年のベトナム経済は著しく発展しています。この3年間、GDP伸び率が初めて5・98%に達し、国会が出した5・8%という目標値を上回りました。また、インフレ率と銀行金利が著しく低下したことは、国民と企業の生産・経営活動に有利な条件を作り出しています。
輸出も高い成長率を維持しています。特に、国内企業の輸出は好転しています。2014年の輸出総額は1500億ドルに達し、昨年と比べ13・6%増となっています。新規外国直接投資プロジェクトは昨年と比べ、件数で24・5%増、投資額で9・6%増となっています。
ADB=アジア開発銀行ベトナム事務所の 木村知之 ( きむらともゆき ) 所長は次のように語りました。
(テープ) KIMURA
「今年中、ベトナムはマクロ経済を成功裡に管理しました。また、ベトナムは3年連続で、マクロ経済の安定、インフレの抑制、為替相場の安定、合理的経済成長を維持しています。今後も、マクロ経済の不安定の根本的原因を解決する為に、行政手続の改革を含む経済構造の改革、特に、国営企業や、公的投資、銀行部門の改革を加速させる必要があると思います」
一方、2014年に、ベトナム通貨ドンに対する米ドルの為替レートは1%しか上昇しませんでした。これは、金融政策や、財政政策の実施に便宜を図っています。
カオバン省選出のラー・ゴック・トアン国会議員は次のように語りました。
(テープ) THOANG
「政府が柔軟かつ慎重に指導している金融政策は、インフレの抑制、経済成長に寄与しており、ベトナム経済の条件に合致していると思います。為替相場は主体的に管理されるようになりました。為替レートの安定を維持することは輸出活動の円滑化にも寄与すると同時に、投資家の信頼醸成に繫がっています。」
生産経営投資環境改善への努力
2014年、競争力の向上を目指す行政改革は政府の優先課題の一つとして進められています。中でも、不合理な規定の撤廃や、有利な経営環境作り、企業の困難解決などが促進されました。閣僚らと各省庁の代表らは数十回にわたって国内外の企業や、投資家と対話を率直に行なってきました。
ベトナム商工会議所のブー・テェン・ロック会頭は次 のように語りました。
(テープ) LOC
「政府は、新しいアプローチ方法を取っています。それは、ASEAN主要6カ国の基準を目標に行政改革を行うということです。政府は、関税、税関、企業の設立・解体などに関する行政手続をASEAN主要6カ国の平均レベルに削減するよう指導しました。例えば、納税と社会保険の納付時間は年平均872時間から171時間に短縮しなければならないということです。企業と各省庁の代表による一連の率直な対話が行なわれた結果、複数の行政手続が簡素化されるようになりました」
ベトナムは様々な困難に直面している背景の中でも経済発展を遂げています。これらの成果は政府の柔軟かつ断固たる指導によるもの評されています。また、これは、2015年の発展事業にとって重要な原動力ともなるでしょう。