(VOVWORLD) - 朝鮮半島の2017年は、ミサイル発射・核実験、口論、威嚇・制裁という悪循環の年であったと言えます。
2018年の初め、朝鮮半島には対話の可能性があるという新しい動きがあります。これに対し、2017年、朝鮮半島の非核化は何らかの進展どころか、後退してしまいました。
朝鮮半島の2017年は、ミサイル発射・核実験、口論、威嚇・制裁という悪循環の年であったと言えます。
制裁は効果的な対策ではない
長年の現状からみると、制裁は朝鮮民主主義人民共和国の核開発計画への効果的な対策ではないということがわかります。朝鮮への制裁強化はこの国の立場を変えさせるどころか、その立場をさらに強固にさせた原因となったからです。
2006年以来、国連安全保障理事会は9回にわたって対朝鮮制裁決議を採択しました。特に、朝鮮が6回目かつ過去最大の核実験を実施したことを受け、2017年9月に採択された制裁決議は最も厳しい内容を含めたものとみられます。しかし、この決議は、朝鮮の決意を全然揺らがせなかったようです。その決議が採択された後、朝鮮は、アメリカ全土への到達が可能とする大陸間弾道弾ミサイルを発射したからです。
2017年、朝鮮民主主義人民共和国は合計で、15回にわたってミサイルを発射しました。その中で、大陸間弾道弾ミサイルの発射は3回でした。そして、朝鮮は、核兵器を「大陸間弾道ミサイルを含む弾道ミサイルに搭載できる水準まで小型化することに成功した」と発表しました。
米 さらに強固な姿勢を
アメリカのトランプ政権は、朝鮮民主主義人民共和国の強固な立場に対し、さらに強固な姿勢を示しています。
トランプ大統領は昨年の11月、朝鮮を「テロ支援国家」に再指定すると発表しました。核・弾道ミサイル開発を続ける朝鮮の孤立化に向け、「最大限の圧力」をかけていく姿勢を打ち出しました。
アメリカの新聞ウォールストリート・ジャーナルは、トランプ政権が朝鮮をテロ支援国家に再指定したことについて、2008年に指定を解除した「当時のブッシュ政権の過ちを正した」と高く評価しました。
朝鮮をテロ支援国家に再指定したことは、朝鮮を万全の制裁圧力で国際社会から完全に孤立させ、核放棄に追い込むというトランプ政権の決意を示す効果を狙ったものです。しかし、この決定は、朝鮮半島の非核化プロセスを後退させたものであるという意見が多くの政治アナリストから出されています。これは、朝鮮半島の非核化に関する対話に大きな障壁をもたらすからです。そして、トランプ政権の決定は、朝鮮半島の情勢をさらに悪化させる恐れがあります。
2017年の朝鮮半島の非核化プロセスは後退した言えます。しかし、2018年の初めに関係各側が前向きな動きを見せていることは、このプロセスが再起動されると期待されています。