APEC・CEOサミットに出席したサン主席
10日、中国の首都北京で、APEC=アジア太平洋経済協力会議の第22回首脳会議が開幕しました。ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席率いる代表団は会議に出席しています。
「アジア太平洋パートナーシップを通じて未来をつくる」をテーマにした今年のAPEC首脳会議では、2日間の議事日程にわたって、地域内の連携やアジア太平洋自由貿易圏作りプロセス、経済貿易協力などについて意見が交わされます。
この25年にみるAPECの形成と発展
APECは1989年に設立されました。25年間にわたって、アジア太平洋地域の経済は様々な成果を遂げてきました。これらの成果についてベトナム商工省のグェン・カム・トゥ次官は次のように明らかにしました。
(テープ)
「APECは貿易発展に向けた極めて適切なプログラムを実現してきました。例えば、2010~2015年期に、貿易取引コストと取引時間の削減という目標が達成された結果、各企業の貿易取引コストがおよそ5%、取引時間が6%削減するようになりました。また、APECは貿易活動における各企業の取引の有利な条件を作り出してきました。例えば、ビジネスマンのAPEC内での移動を容易にした措置APECビジネス・トラベル・カードの導入があります。このカードを持っていれば、ビジネスマンが商用でAPEC諸国内に滞在する場合には短期間であればビザを取得する必要がないということです。」
2014年は、APEC形成25周年及びAPECの貿易・投資の自由化・円滑化目標遂行20周年を迎える年です。ですから、第22回APEC首脳会議は、25年間の成果を総括すると共に、今後の発展方向を出す機会ともなっています。
ベトナムは、APECの積極的な一員
ベトナムは1998年にAPECに加盟しました。このことは、ベトナムの全方位外交政策の実施を示しています。これまでに、APECはベトナムに様々な利益をもたらしてきました。これについて、トゥ商工次官は次のように明らかにしました。
(テープ)
「オープンな経済フォーラムであるAPECはベトナムなど発展途上国がAPECに参加するための有利な条件を選択できるように便宜を図っていました。APECは貿易政策などに関するオープンな対話メカニズムをとっています。」
新たな発展戦略時代に入り、APECフォーラムを初めとするアジア太平洋地域はベトナムにとって極めて重要な意義を持っています。というのは、この地域は、経済、外交、安全保障など多くの分野におけるベトナムの発展と密接に繋がっているからです。これについて、外務省のブイ・タン・ソン次官は次のように語りました。
(テープ)
「APECはベトナムにとって大きな利益があります。ベトナムの輸出貿易活動の6割がAPECのメンバーのものです。また、ベトナムを訪れる外国人観光客の7割がAPECのメンバーです。ベトナムはAPECに加盟する多くの国と地域の戦略的パートナーシップ、全面的なパートナーシップを持っています。そのため、ベトナムはAPECの諸活動に主体的かつ積極的に参加したのです」
今回のAPEC首脳会議に出席中のベトナムのチュオン・タン・サン国家主席は、グループの対話や、個別首脳会談などにも参加します。