ASEAN・アメリカ協力関係の強化に寄与するベトナム


既にお伝えしましたように、アメリカのオバマ大統領は、ASEAN=東南アジア諸国連合加盟10か国の首脳を初めてアメリカに招待し、15日と16日の両日、カリフォルニア州にある保養施設のサニーランズで、首脳会議を開催し、ベトナムからはグエン・タン・ズン首相率いる代表団が臨みました。この会議で、ベトナムは引き続き、ASEAN・アメリカ関係の強化に積極的に寄与しました。


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この会議は、ASEAN・アメリカ関係の新しい節目を記すとともに、日増しに高まっているASEANの地位、地域内の平和、安定、発展のための国際協力の強化に関するASEANの意向などを示すものです。


ASEAN・アメリカ協力プログラムを効果的に実施

会議の開幕式で、ズン首相は演説し、その中で、ASEANとアメリカとの関係の戦略的重要性を強調しました。  ズン首相は双方に対し、「今後、2016~2020年期におけるASEAN・アメリカ行動計画をはじめこれまで達成されてきた合意の展開や、創業活動、知的財産、技術、IT、持続可能な発展などの分野で協力を強化していくよう」呼びかけました。

特に、「ASEANの各企業の力の発揮と連携の強化などを目指し、ベトナムで、創業者と中小企業を支援するASEAN・アメリカセンターを創立するよう提案しました。会議の際に、ズン首相は、オバマ大統領を含め、ASEAN諸国の首脳らと会談しました。また、アメリカの大手企業の指導者らとも会合し、協力強化策などについて話し合いました。

ズン首相は、「ベトナムは、国際社会への参入を進めており、ASEAN経済共同体や、APEC=アジア・太平洋経済協力会合、TPP=環太平洋経済連携協定への加盟はその証である」と強調しました。


問題解決のための協力

会議で、参加者らは、国際問題の解決と発展の促進に対するASEAN・アメリカ関係の役割を強調しました。ズン首相は、「ベトナムは、日増しに複雑に推移しているベトナム東部海域情勢を懸念している。この海域での島々を不法に占領し、大規模な人工島建設活動を進めている一方的な行動は海上での安定、安全保障、航海と航行の自由を脅かしている」としました。 

その上で、アメリカ側に対し、「海上の現状を変改させる行為と軍事化活動の中止、DOC=海上行動宣言の遵守、COC=海上行動規範の早期作成などのために具体的かつ効果的な措置を取るよう」提案しました。首脳会議の枠内で、参加者らはアジア太平洋の平和、繁栄、安全保障に関する討論会に出席しました。

席上、ASEAN加盟諸国とアメリカの指導者らは今後のASEAN・アメリカ関係の発展方向を定める共同宣言を採択しました。その中で、「ASEANとアメリカは国際法、国連憲章、ASEAN憲章の基本的な原則に従って、地域と国際社会の秩序の確保に力を入れると同時に、武力による威嚇、または武力行使、そして軍事化をせず、紛争を平和的措置で解決し、国際法、中でも1982年国連海洋法条約を基礎に航行の自由を確保する」と強調しています。

ズン首相がこの会議に出席することは、ベトナムが引き続き全方位外交政策を堅持することや、ASEAN・アメリカ関係を深化させていきたい意向、国防安全保障や、科学技術、経済、貿易、投資などの分野でのベトナム・アメリカ関係を強化していきたい意向、自由貿易協定の展開において協力したい意向、各国間の信頼の強化と相互理解の深化に関する意向などを示すものとみられています。

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