24日、「ダイナミックなASEAN共同体へ向けてビジョンを現実化」と題するASEAN=東南アジア諸国連合の第49回外相会議が開幕しました。会議で、加盟10カ国の外相はASEAN内、及び対話国との協力を優先課題にするとともに地域におけるASEANの中核的な役割を発揮することを取り上げることで一致しました。
(写真:TTXVN)
開会式を前に、主催国ラオスのサルムサイ・コンマシット外相は「会議の成功は来る9月、ラオスで行なわれるASEAN首脳会議と関連会議に着実な基盤を作り出すことからASEANは団結、統一、中核的な役割を発揮する必要がある」と強調しました。
ASEANの団結、統一の強化を優先
このおよそ50年間、ASEANは多くのうねりを経てきましたが、平和でかつ安定した地域になっています。これまで達成された成果は地域の安定な環境や対話国の協力と支持によるところが大きいとしています。昨年12月31日にASEAN共同体を確立したことや2025年までのビジョン、及び他の総合的な発展計画を採択したことは地域参入に取り組んでいる加盟諸国に弾みをつけるとみられます。
ASEAN諸国の外相らが今回の会議のテーマを「ダイナミックなASEAN共同体へ向けてビジョンを現実化」したのはASEANの団結、統一を第一の優先課題に位置づける必要があるということを強調したいのです。これはASEAN共同体の構築に前提条件となると同時に地域の平和、安全保障、安定に関する問題の解決におけるASEANの役割と責任、発言力を発揮するための礎でもあります。開会式で、ラオスのトンルーン・シスリット首相は次のように述べています。
(テープ)
「現在、地域と国際情勢が複雑に推移し、チャンスと試練が絡み合って、極端主義、テロ、領土紛争、気候変動、不法な移住、人身売買が深刻化しています。一方、英国のEU離脱などの問題はマイナス影響を与えており、ASEAN加盟諸国のより緊密な協力を求めています。こうしな事情の中、第49回ASEAN外相会議と対話国との会議は積極的かつ建設的な対話を促進し、地域と世界の平和、安定、繁栄の維持に貢献するよう願っています。」
ASEANの中核的な役割を強調
ASEANは成功した地域連携モデルであると評されています。ASEANは平和、安定を目的に掲げ、加盟諸国間の協力を強化し、対話諸国の支持を得て、様々な成果を収めてきました。ASEAN+1、ASEAN+3、ASEAN地域フォーラムなどへの世界大国の参加は協力と相互信頼の強化に貢献したとしています。ASEANと対話諸国との関係は目覚しい発展を遂げています。現在、86カ国はASEAN常駐大使を派遣する一方、ASEANは50カ国で代表事務所を開設しました。双方は試練の解決で協力し、2025年までのASEANビジョンの展開、発展格差の是正に取り組むことで一致しました。ラオスのサルムサイ・コンマシット外相は次のように強調しました。
(テープ)
「ASEAN内、及びASEANと対話諸国との一連の協力枠組はASEAN内の協力にもちろん、ASEANと対話国との関係の強化にも基盤を作り出しています。特に大国の参加は相互理解の強化や平和かつ安定した環境づくりに貢献すると思います。ASEANはオープンな政策を堅持すると同時にASEANの中核的な役割の強化に尽力していきます。」
ベトナム東部海域、地域の平和に重要な存在
第49回ASEAN外相会議はASEAN内の団結や対外関係の強化の傍ら、地域の平和、安定、協力に対するベトナム東部海域の重要性を改めて強調しました。また、ASEANはベトナム東部海域問題の平和的解決に有利な条件を作り出す必要があるとしています。これはASEANの統一と中核的な役割の発揮に挑戦となるでしょう。