(VOVWORLD) - 2017年はASEAN=東南アジア諸国連合創設50周年という年でした。加盟諸国の政治体制と発展度合いが異なり、多様な文化を抱えるASEAN共同体がこの50年間、収めてきた成果は奇跡だといえます。
創設以来51年目に入り、ASEANは協商の精神を掲げ、コンセンサスを強化し、ASEANの持続的かつ包摂的な発展のビジョンの実現に力を入れていきます。
この50年間、ASEANは加盟10カ国の国民を団結させ、広範な参入と競争性の高い共同体の構築に取り組んできました。ASEAN共同体の発足につれ、「ASEAN共同体ビジョン2025」が作成されました。これはこの50年間にわたるASEANの発展の道のりにおける最も重要な節目となったとしています。
参入に伴う試練
「ASEAN共同体ビジョン2025」はASEAN共同体の全面的な発展、広範な参入、地域における影響力の向上に多くのチャンスをもたらします。しかし、このチャンスを活用するため、ASEANは様々な試練を乗り越えなければなりません。一例を挙げると、加盟諸国の法律には相違点があることから、共通の公約や合意書の実施に支障を来たすということです。ASEANのレ・ルオン・ミン前事務局長は次のように語りました。
(テープ) O Minh 1
「ASEANの最も豊かな国の一人当たりの所得は最も貧しい国の43倍となっています。また、ASEAN共同体への市民と企業の知識は高まっていません。ASEANはグローバル化、貿易自由化を支持していますが、世界各国、とりわけASEANの大きな相手国にはグローバル化、保護主義に反対する動きが浮上しています。これは包摂的な発展を遂げるASEAN共同体づくりにとって、大きな試練となっています。」
一方、地域内の複雑な推移、中でもベトナム東部海域(南シナ海)での国際法に違反する一方的な行動はASEANの団結を脅かしています。
「ASEANビジョン2025」の実現へ
ASEANは新たな発展段階に入っています。「ASEANビジョン2025」を現実に移すためには、収めた成果を生かして、試練を乗り越えるよう力を尽くしています。また、強固で、繁栄した共同体の構築を進めていく姿勢を固めました。これは加盟諸国の戦略的かつ長期的な利益につながるものであり、加盟諸国の責任感と団結心を求めます。さきほどのASEANのレ・ルオン・ミン前事務局長は次のように明らかにしました。 (テープ) O Minh 2
「試練を乗り越えるため、ASEANは加盟諸国の法律システムの調和を推進すると同時に各国の短期的な利益と共同体の長期的な利益の均衡を確保する必要があります。また、発展格差の是正にASEAN内、及び相手国のあらゆる財源を活用しなければなりません。」
こうした中、地域の平和、安定を維持するため、ASEANはASEAN地域フォーラムや東アジアサミット、ASEAN+3、拡大ASEAN国防相会議などの協力体制を推進する一方、COC=海上行動規範の作成を目指す中国との交渉を進め、国際法に従って、平和的措置で、ベトナム東部海域(南シナ海)の問題を解決することが狙いです。
ベトナム、ASEAN内の協力を優先
ベトナムがASEANに加盟してから、わずか22年ですが、主体的かつ積極的にASEANの諸活動に参加して、東南アジア地域の秩序の維持に取り組んできました。また、ASEANを共通の家とみなし、加盟諸国との関係の発展を優先させています。ASEANの協力、結合の促進はベトナムの戦略的な目標となっています。ベトナムは加盟諸国と力を合わせ、ASEAN共同体の繁栄とコンセンサスに向けて尽力していきます。