第37回ASEAN首脳会議の閉幕式で演説を行ったフック首相

今回の首脳会議と2020年初めから収めてきた成果は大国間の戦略的競争による世界情勢の変動や新型コロナウイルス感染症がマイナス影響をもたらしている背景の中でのベトナムを含むASEAN加盟諸国の団結精神と主体的適応を示しました。

2020年に収めてきたASEANの成果はASEAN共同体の共通の努力によるもので、議長国としてのベトナムのけん引役を立証しました。年内にベトナムはASEAN首脳会議をはじめ、ASEAN外相会議、ASEANとパートナー国との会議、国際会議をオンライン形式で成功裏に主催しました。特筆すべきことは第37回ASEAN首脳会議の枠内で20あまりのハイレベルの活動が行われ、80件あまりの文書が採択されたことです。

複数の構想を提案

第37回ASEAN首脳会議と関連各会合で、各国の指導者は新型コロナウイルス感染症をはじめ、ASEANが直面している試練への対応で協力を促進することで一致しました。その中で、ASEANの新型コロナ対応基金やASEAN地域医療物資緊急備蓄倉庫の設立、緊急医療対応戦略的枠組みなどが採択されました。これらの構想は非伝統的安全保障問題への対応を目指すASEANの統一的な行動を示しました。

議長国ベトナムの運営により、第37回ASEAN首脳会議ではASEAN共同体ビジョン2025総合計画やASEAN連結性マスタープラン2025の実施状況に関する中期報告書やASEAN総合的な回復枠組みが発表されました。これらの文書を通じて、ASEAN諸国の指導者らは団結精神、協力の強化、発展格差の是正、小地域間の協力の推進へ向けての決意を表明しました。

また、パートナー国との関係について、ASEANはRCEP＝東アジア地域包括的経済連携協定の締結を通じて中核的な役割を確立しました。経済専門家であるグエン・チ・タイン氏は次のように話しました。

（テープ）

「これは長年にわたり交渉された協定です。世界情勢が大きく推移している中で交渉が複雑になってきました。この協定の締結はASEANの開発協力と連結、特にASEANとパートナー国の関係にとって前向きな兆しとなっています。」

ベトナム東部海域（南シナ海問題）に関し、ASEANは平和、安定、安全保障、航行の自由が確保される海域づくりへ向けての決意を表明しました。グエン・クォク・ズン外務次官は次のように語りました。

（テープ） 

「私たちは打ち出した目標を達成しました。今年のすべての行動や優先課題は今回の首脳会議で取り上げられ、採択されました。これはASEAN共同体づくりや新型コロナウイルス感染症対応、回復事業にとって喜ばしいことです。」

ベトナムの重要な役割

「結束と主体的適応」という方針に従ってベトナムは試練をチャンスに変え、ASEANの団結や連結を強化し、複数のオンライン会議を主催し、ASEAN2020の議事日程や計画を完成しました。ブルネイのハサナル・ボルキア国王は次のように語りました。

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「ブルネイはこの一年間、ベトナムが行ってきたことを基礎に、回復事業と共同体の構築に向けて尽力していきます。ASEAN2021議長国としてブルネイはASEANの長年にわたる発展の歴史をインスピレーションとして３つの基本的な分野の発展を進める計画があります。」

ヴィーゼン女史

一方、UNDP＝国連開発計画ベトナム事務所のケイトリン・ヴィーゼン所長は次のように話しました。

（テープ）

「ベトナムが主催したASEANビジネス投資サミットはASEANの発展格差の是正や分割の解除に尽力し、新型コロナ収束後の回復で協力し合う重要性を強調しました。このサミットはASEANの創造力と刷新、団結を示したと思います。

50年あまりにわたり、ASEANは団結と自力、主体的適応を発揮し、発展を遂げています。第37回ASEAN首脳会議と関連各会合を成功裏に開催したベトナムはASEANの責任感あるメンバーであり、重要な問題の解決でけん引役を果たしていると評されています。