G20サミットと世界の結合強化

(VOVWORLD) -ドイツのハンブルクで7日と8日にG20=20カ国・地域の首脳会議が開催されます。

世界の政治、安全保障、経済状況が大きく変化してきた背景の中で、今回のG20サミットはテロ防止対策、保護主義の防止、気候変動対応、移住政策などの合意達成を目指しています。

G20は1999年にG7=主要国首脳会議に参加する7か国、EU=欧州連合、ロシア連邦、および新興経済国11か国の計20か国・地域から構成されました。

2017年のG20の差し迫った問題

G20サミットの舞台に、議長国ドイツのメルケル首相は港湾都市ハンブルクを選びました。通常は民衆から隔離された場所で開かれるサミットを、あえてデモ隊が容易に取り囲める都市で開催するのは、アメリカのトランプ大統領、ロシアのプーチン大統領、トルコのエルドアン大統領らに対し、開かれた民主主義というメッセージを送る狙いもあります。ただ、警察が暴動の取り締まりに失敗すれば、連邦議会選挙戦の渦中にあるメルケル首相にとって大失点となるだけに、首相は大きな()けに出たもようです。

政策面でも、気候変動、貿易、移民といった議題を巡って首相はトランプ大統領に強い態度で対峙(たいじ)する構えで、事前の根回しに基づき粛々と行われる従来のサミットとは様変(さまが)わりするとみられます。

G20サミットでは、自由貿易や地球温暖化対策が主要な議題となる見通しですが、アメリカのトランプ大統領が、保護主義的な政策を強め、地球温暖化対策の「パリ協定」からの脱退を表明し、ドイツのメルケル首相との間で対立が激しくなっています。

メルケル首相はG20首脳会議について、さまざまな利害を各国が明らかにする良い機会を提供し、グローバル経済にとって利益となる共通の政策をまとめるチャンスになると発言しました。一方的な経済利益の追求は、各国間で「解決不可能な対立」を生む恐れがあり、G20諸国は自国の利害にとらわれず、「グローバル経済の繁栄、ウィンウィンの状況創出」を考えるため、今後訪れる機会を捉えるべきだと語りました。

G20、世界経済を引導

議長国ドイツは今年のG20のテーマを「相互に連結した世界の形成」にし、世界のマクロ経済の安定化や経済成長、持続可能な発展の確保を目指しています。

G20議長国としてドイツは、2008年から2009年の金融危機以来、常に議題に含まれてきた世界経済、貿易、金融市場管理、財政政策に関係した伝統的なG20の問題点を再び提起する予定です。これに加え、ドイツは感染症対策、労働安全対策、女性の地位向上、難民・移民対策、アフリカ経済の見通しのほか、気候変動、エネルギー、持続的発展の分野での政策など今日の世界的課題にも関心を引くことを目指しています。

ベトナムはG20加盟国ではありませんが、APEC2017の主催国としてこのサミットに招待されており、これはAPEC2017の役割が高く評価されていることを示しています。また、APEC2017とG20サミットはいずれも持続的かつ包括的な経済成長、経済、貿易、投資連携の強化、気候変動対応を目指しています。

G20諸国は世界経済生産の約80%、世界人口の3分の2を占めるため、活発なグローバリゼーションの例として役立つとしています。G20は他の国際組織とともに世界経済の再生に積極的に貢献していくとみられます。

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