(VOVWORLD) - 会議は16日までの日程で開催され、「共に回復、より強く回復(Recover Together、 Recover Stroger)」をテーマにしています。会議の際に、参加国の代表者らは複数の二国間、および、多国間会合を行う予定であり、世論の注目を集めています。
15午前、インドネシアのバリ島で、G20=主要20か国の首脳会議が開幕し、アメリカのバイデン大統領や、中国の習近平国家主席、それにロシアのラブロフ外相らが主席しています。エネルギーと食料価格の高騰や、ロシア・ウクライナ衝突、朝鮮半島での緊張情勢などが続く中、今回の首脳会議は課題解決や、世界の回復・発展への新たな原動力を示すよう期待されています。
会議は16日までの日程で開催され、「共に回復、より強く回復(Recover Together、 Recover Stroger)」をテーマにしています。会議の際に、参加国の代表者らは複数の二国間、および、多国間会合を行う予定であり、世論の注目を集めています。
注目すべき議題とイベント
議長国を務めるインドネシアによりますと、今回は主要議題が3つあり、これらは、食糧・エネルギー安全保障、グローバルな医療構造、デジタルトランスフォーメーションとなっています。インドネシアのジョコ大統領は会議の冒頭での演説で、各国に団結を呼びかけたほか「戦争が終わらなければ世界が前進することは困難だ」と指摘しました。さらに、「われわれにはほかに選択肢はない。世界を救うために協力が必要だ」と強調し、「G20は包括的な経済回復の触媒とならなければならない。世界を分断してはならない。再び冷戦に陥らせてはならない」と訴えました。
G20サミットとは、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、韓国、南アフリカ共和国、ロシア、サウジアラビア、トルコ、イギリス、アメリアの19ヶ国に加え、EU=欧州連合の首脳が参加して毎年開催される国際会議です。
最初のテーマとしてウクライナ情勢を背景にしたエネルギーや食料の価格高騰などへの対応についてのセッションが始まりました。これまでの閣僚会合では、世界的なエネルギーや食料価格の高騰について、欧米各国がロシア・ウクライナ衝突が原因だと非難する一方、ロシアは欧米各国による経済制裁などが原因だと主張し、議論が進展することはありませんでした。デジタルトランスフォーメーションに関しては、これは必然的な傾向であり、全世界のあらゆる分野に影響をおよぼしているとの意見が相次ぎました。
会議の際に、14日、バリ島で、中国の習近平国家主席とアメリカのバイデン大統領が会談しました。バイデン氏の大統領就任以来、習近平国家主席との対面形式での会談は初めてです。席上、バイデン氏は「中国とアメリカが互いの相違を把握し、競争が紛争になるのを防ぎ、相互協力が必要なグローバルな喫緊の課題への対応策を見出すよう、両国の首脳として責任を共有している」と語りました。これに対し、習主席は両国関係は世界の期待に応えていないとし、「中米関係の正しい道筋を描く必要がある。今後の両国関係の正しい方向を見出し、向上させる必要がある」と指摘しました。
期待と試練
最新のデータによりますと、G20参加国はGDP=国内総生産が世界全体の約8割、貿易額が75%を占めています。これらの数字はG20の重要な役割を示しています。今回のサミットでは、議長国が国際組織や、ASEAN=東南アジア諸国連合、アフリカ、南米、太平洋、カリブ海地域諸国の代表も招へいしました。これは「誰も取り残さない」という目標達成を目指すものであるとみられています。また、サミットがメンバー国だけでなく、発展途上諸国や、小さな島国などにも利益をもたらされることを目標としています。しかし、G20にとって、これらの目標は重い任務であるとされています。
アナリストらによりますと、ロシア・ウクライナ衝突や、朝鮮半島での緊張情勢、大国間の厳しい競争などが続いている中、全世界は課題を解決し、試練を乗り越え、発展し、平和・安定を維持するために力を合わせなければなりません。こうした中、G20は多国間組織として自らの建設的な役割を徹底的に発揮させていく必要があるとしています。