1.米朝首脳会談と南北首脳会談は朝鮮半島の平和のチャンスです。
2018年に行われた米朝首脳会談、及び、韓国と朝鮮民主主義人民共和国による南北首脳会談はこの1年の世界情勢における輝かしい節目となりました。これらの首脳会談で合意された首脳宣言は朝鮮半島の平和、安定、及び、非核化の実現に向けた前向きな兆しとされています。しかし、年末になっても、これらの宣言を履行するに至らず、多くの試練に直面しています。
米朝首脳会談の様子 (写真:ロイター) |
2. ASEAN と中国はCOC の交渉草案で合意しました。
7月30日から8月4日まで、シンガポールで開催された第51回ASEAN外相会議、及び、関連会議で発表を行った際、シンガポールのビビアン外相は中国・ASEAN外相会議でCOC=海上行動規範の交渉草案が合意されたと明らかにしました。これはベトナム東部海域、いわゆる、南シナ海問題についての一定の進展とされています。また、双方はCOCに関する今後の交渉の主な方式について一致を達成しました。
中国・ASEAN外相会議(写真:アセアンのウエブサイト) |
3. アメリカと中国との貿易摩擦が激化し、世界経済に影響を与えています。
7月6日、アメリカのトランプ大統領は中国からの輸入品340億ドル(約3兆7600億円)への追加関税を発動し、世界的な貿易摩擦問題で最も大きな号砲を放ちました。中国も報復課税で対抗、米中の双方が関税をかけ合う貿易摩擦が激化しています。12月4日、中国からの輸入製品の約半分に関税をかけた末に、トランプ氏と中国の習近平国家主席は、ブエノスアイレスで開かれたG20=20カ国・地域首脳会議にあわせて行われた米中首脳の夕食会で、激化する貿易戦争の一時休戦で合意しました。しかし、米中貿易摩擦が今後も複雑に推移し、世界経済に悪影響を与えるとされています。
米中貿易戦争( Infographic: Quang Huy) |
4. 保護貿易主義への対抗が増加しています。
アメリカが多国間貿易協定から撤退しましたが、保護貿易主義への対抗が増加しました。その中で、CPTPP=包括的、かつ、先進的環太平洋経済連携協定、日本とEU=欧州連合とのEPA=経済連携協定が締結された他、RCEP 東アジア地域包括的経済連携の交渉が進展を見せました。
(写真:TTXVN) |
5.アメリカはシリアから軍を撤退することを決めました。
アメリカのトランプ大統領は12月19日、「長期間にわたりシリアで戦ってきたが、IS(過激派組織『イスラム国』)との戦いに完全に勝利した。軍が帰国する時が来た。準備は進んでいる」と述べるビデオメッセージを出し、近く駐留米軍を撤収させる方針を表明しました。しかし、実際の撤収には数カ月かかるとみられるほか、アメリカ議会などからも批判の声が出ています。
( 写真:ロイター) |
6. 中東湾岸の外交危機が続いています。
2018年、カタールとサウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、エジプトとの外交危機が依然として深刻になっています。また、ペルシャ湾諸国はカタールとの外交を断絶しています。逆に、カタールは譲歩する意向がありません。双方には互いに経済制裁措置を取っています。年末に、カタールはOPEC=石油輸出国機構を来年1月1日付で脱退すると明らかにしました。
カタールの工業都市(写真:AFP/ TTXVN) |
7. アメリカは大使館をエルサレムに移行する
5月、アメリカのトランプ大統領は、在イスラエルアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移す決定を下しました。今回の大使館移転については、トランプ氏の支持基盤も強硬に働きかけてきました。この動きは中東地域の情勢を複雑化させました。
大使館の開設式(写真:Getty) |
8.サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏が殺害されました。
カショギ氏は10月2日、結婚手続きのためトルコのサウジ総領事館を訪れた際に殺害されました。サウジのモジェブ検事総長は11月15日、容疑者21人のうち11人を起訴し、5人に死刑を求めると発表しました。国連のアントニオ・グテーレス事務総長がジャマル・カショギさん殺害事件について、「信頼できる捜査」が行われるよう呼びかけました。
ジャマル・カショギ氏(写真:DW) |
9. サッカーチームの少年が洞窟から成功裏に救出されました。
タイ当局は7月10日、北部チェンライ県のタムルアン洞窟に2週間以上閉じ込められていた地元サッカーチームの少年とコーチ計13人の救出作戦を完了、全員が生還しました。世界中の注目を集めた困難な救出作戦は、成功裏に幕を閉じました。11─16歳の少年12人と25歳のコーチの計13人は6月23日、ひとりの少年の誕生日を祝うためミャンマーとの国境に近い洞窟に入った後、豪雨で水位が上昇したため出られなくなりました。
(写真: The Guardian) |
10.2018年に世界では多くの自然災害が発生しました。
日本で発生した地震、中国で発生した大洪水、アメリカでの森林火災など世界で多発している災害は数多くの人々の命を奪いました。その背景の中で、COP24=国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議が12月2日から14日にかけて、ポーランド南部カトヴィツェで行われました。この会議は重要な勝利を納め、気候変動に関するパリ協定の実現に有利な条件を作り出しました。
インドネシアの火山島アナククラカタウの噴火 (写真:ロイター) |