(VOVWORLD) - VOVが選んだ2020年の国際10大ニュースをお伝えします。
1. 新型コロナウイルス感染症による世界規模の危機
2019年11月17日に中国・武漢市で、最初の感染ケースが確認されましたが、これまで、この危険な疫病は全世界に広がり、感染者数が7500万人にのぼり、死者数は168万人を超えました。世界銀行の概算によりますと、新型コロナによるパンデミックにより、全世界のGDPは3∼6%減少し、その損害額は少なくとも5兆ドルにのぼっています。特に、パンデミックとなってから、世界各国の政治、経済、外交、文化、スポーツ、国民の生活などあらゆる分野の変化につながっています。現在、そのワクチンの研究・開発活動が積極的に進められています。
(写真:thoibaotaichinhvietnam.vn) |
2. アメリカ大統領選挙の劇的な競争
新型コロナによる深刻な被害を受けている中でアメリカは、同国の大統領選挙が行われました。その結果は、アメリカだけでなく、全世界に影響を与えると評さています。両候補者のレースは劇的で、ジョー・バイデン氏が過半数の票を獲得してからも、トランプ氏は引き続き選挙結果を争い続けています。アナリストらによりますと、この選挙はアメリカの社会的な亀裂を示すものとしています。
(写真:thethaovanhoa.vn) |
3. 米中の戦略的競争の激化
アメリカと中国の貿易戦争は激化し、全面的な競争に発展しました。新型コロナウイルス感染症の発端とその処理方法に関する論争から技術、外交などの分野まで、米中関係の緊張がエスカレートしています。両国は互いに報復措置をとっています。したがって、その緊張は経済分野にとどまらず、政治、安全保障などの分野にも広がっています。これは全世界に影響を与えていますが、今後も長引くと予想されています。
(写真:Nikkei Asian Review) |
4. RCEP=東アジア地域包括的経済連携の締結
第37回ASEAN首脳会議と関連首脳会議の一環で、11月15日、RCEPは、ASEAN加盟10カ国、それに日本、韓国、中国、オーストラリア、及び、ニュージランドの15か国が首脳会議で正式に合意し、協定に署名しました。RCEP加盟15カ国は、世界人口の30%を占める約23億人に達しており、GDPの合計は25兆ドルを超え、該当地域は世界最大の自由貿易地域になるとされています。RCEPの締結は、ASEAN2020の議長国としてのベトナムの役割と貢献を示すものとみられています。
(写真:vov.vn) |
5. アルメニアとアゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ紛争の激化
2020年のナゴルノ・カラバフ紛争はアゼルバイジャンとアルメニアの係争地となっているアルツァフ共和国を巡る軍事衝突で、5000人以上が死亡しました。紛争は11月10日、ロシアの仲介で完全停戦となりましたが、現在もなお、再燃する可能性を秘めています。
(写真:Reuters) |
6. インドと中国との国境紛争の悪化
6月に、ヒマラヤ地域にあるインドと中国との係争地で中印両軍が衝突し、死者も出ました。衝突は中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)に接する印ラダック(Ladakh)地方にあるガルワン(Galwan)渓谷で発生しました。核保有国同士である両国の間で起きた武力衝突としては過去40年以上で最多の犠牲者を出すものとなりました。
(写真:AP) |
7. イスラエルとアラブ諸国との平和条約
2020年8月、中東情勢を大きく変える可能性のある重要な動きがありました。イスラエルとUAE・アラブ首長国連邦がアメリカの仲介で、国交正常化で合意したことです。長年対立してきたイスラエルとアラブ諸国の関係改善への重要な一歩であるとともに、中東に新たな分断と緊張をもたらす可能性も含んでいます。
(写真:Reuters) |
8. アメリカとイランとの関係の悪化
今年1月、イランの革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官らがイラク国内でアメリカ軍に殺害されました。この事件をめぐり、アメリカとイランの関係が悪化しています。また、「イラク政府が事前に暗殺計画を知っていたのではないか」という疑惑も出ています。イラク国内の政治対立や、イランとイラクの関係をめぐる思惑も影響しているとみられています。
(写真:Reuters) |
9. イギリスのEU=欧州連合離脱
2020年1月31日午後11時、イギリスは正式にEUを離脱しました。イギリスは2016年6月23日に行われた国民投票でEU離脱を選び、2017年3月29日にEUに対して正式な離脱通知を行いました。イギリスとEUは同年6月19日から離脱交渉を開始し、3度の離脱日の延期を経て、イギリス・EU間で合意した離脱協定に2020年1月24日に署名しました。しかし、現在も、離脱後のイギリス・EU将来協定の交渉が続いています。
(写真:Reuters) |
10. 2020年のベイルート爆発
2020年8月4日、レバノンの首都ベイルートで、爆発事故が発生しました。この爆発により、203人が死亡、6500人以上が負傷し、最大で30万人の住宅が破壊されました。レバノン総合治安局長は、今回の主な爆発は、政府によって没収され過去6年間にベイルート港に保管されていた約2750トンの硝酸アンモニウムと関連しているとしています。事故後、レバノン全土で、抗議デモが発生しました。爆発の対応を巡り、ディアブ首相は混乱の責任をとり、内閣総辞職を決定しました。
(写真:vov.vn) |