世界を脅かす新型コロナウィルス変異株の流行に伴う貧困問題
(VOVWORLD) -先週、G20=主要20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議は、新型コロナウイルスの変異株と発展途上国でのそのワクチン不足が経済回復の障害になりうるとの認識を盛り込んだ共同声明を発表しました。
新型コロナウイルスの変異株に関しては、「デルタ株」が100か国・地域以上で発見され、疫病の再燃を引き起こしている中で、南米を起源とする変異株「ラムダ」が出ています。
ペルーでは4月以降の感染者のおよそ8割を占めました。6月30日現在、ペルーの新型コロナによる死者数は世界5位の約19万人(感染者数は約205万人)にのぼりました。人口10万人当たりの死者数で見ると、世界最多の583人に上り、“デルタ超え”の脅威が現実味を帯びました。チリや、アルゼンチンでも感染が急増しているほか、国際データベースのGISAIDによりますと、アメリカでもラムダ株検出の報告例が増加しており、今後、感染が急拡大する危険性をはらみます。
WHO世界保健機関は、変異株を「懸念すべき変異株(VOC)」と「注目すべき変異株(VОI)」に分類していましたが、6月14日、ラムダ株をVOIに指定しました。世界各国に警戒を呼びかけていましたが、今後の感染状況によってVOCへ格上げされることも想定されました。
新型コロナウイルスの感染が確認された人は、12日時点で、世界全体で1億8675万3958人となりました。また、亡くなった人は世界全体で402万9721人となりました。
7日、WHOのテドロス・アダノム事務局は、スイス・ジュネーブのWHO本部で記者会見を行い、「世界はこのパンデミックの危険な地点にある」と明らかにしました。また、「ワクチン接種率が高い一部国家が感染対策を緩め、まるでパンデミックが終わったかのように緊張を解いている」と批判しました。
専門家によりますと、ワクチンを2回接種した全民の割合は、少なくとも70%となることを強化しなければなりません。そして、新型コロナウィルス感染症およびグローバルな貧困との闘いは、ワクチン接種の速度とそのワクチンの効果に依存するとしています。