(VOVWORLD) - ミャンマーでは、治安部隊が軍のクーデターに抗議するデモ隊に発砲を繰り返し、国連は、死者は50人を超えたと発表していました。
(写真:AFP) |
こうした事態を受けて国連の安全保障理事会は先週、オンラインで2回目となる非公開の会合を開き、対応を協議しました。国連のブルゲナー事務総長特使(ミャンマー担当)は「状況は重大な人道危機に向かっている」と述べ、安保理に「結束した行動」を緊急にとるよう要請しました。会合を要請したイギリスは2月に出した報道声明より格上となる議長声明の採択を目指しており、各国が協議していました。
安保理外交筋によりますと、声明案には国軍の行動を「非難する」との文言が盛り込まれていました。制裁への直接的な言及はありませんでしたが、情勢が悪化すれば「さらなる手段」を検討する可能性を明記しているということです。
国連のトム・アンドリュース・ミャンマー人権特別報告者は、「ミャンマー各地のビデオ映像から、治安部隊が逮捕の際に、建物に向かって繰り返し発砲していた。これは暴力集団だ。犯罪行為だ。地域を恐怖に陥れている。世界は今すぐ行動を起こす必要がある」と話しました。
国連などによりますと、ミャンマーでは先週3日、最大都市のヤンゴンや第2の都市マンダレーなどで治安部隊が発砲を繰り返し、国連でミャンマー問題を担当するバーグナー特使は会見で、1日で38人が死亡し、これまでの死者が50人を超えたとして深刻な懸念を示しました。地元のメディアは、3日だけで4つの都市で、合わせて15人が死亡したと伝えていますが、死者の数はさらに増えるとみられています。
2月6日から全土で続いている大規模なデモで治安部隊の発砲によるとみられる死者は伝えられているだけで30人を超えています。平和的に行われているデモに治安部隊が銃口を向け死者が増え続けていることに国内外からの非難の声が一段と高まりそうです。
現在、国際社会は関係各側の自制を呼びかけています。特に、ASEAN=東南アジア諸国連合は加盟国の危機を解決することを目指して積極的な措置をとっています。ASEANは、民主・自由・平和・発展という精神で、ミャンマー国民と同行することを確約しています。