JICA、「ニントゥアン省陸上風力発電事業」に対する融資契約に調印
(VOVWORLD) - これにより、年間およそ215,000トンのCO2排出削減に寄与する見込みです。
BIM風力発電プロジェクト(写真:Quynh Anh) |
12月20日、JICA=日本国際協力機構はベトナム南中部ニントゥアン省の総発電容量88MWの陸上風力発電事業に対して、最大2,500万米ドルを供与するプロジェクトファイナンスによる融資契約に調印しました。これにより、年間およそ215,000トンのCO2排出削減に寄与する見込みです。
ベトナム政府は、2020年から2030年にかけて電力需要が年間9.1%増加すると予測しており、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ経済成長の回復に合わせ、今後も旺盛な電力需要が見込まれています。また、気候変動対策を講じない場合と比して2030年に9%の温室効果ガス削減を目標に掲げるとともに、具体的な実現策によって再生可能エネルギーの導入を促進しています。
ベトナム政府の電源開発計画は、電力供給増加と気候変動対策を両立させるため、2030年における125~130GWの発電容量のうち約15~20%を再生可能エネルギー電源とする目標を立てています。このうち国内の山岳部や海岸線に賦存する豊富な風力を活用し、2030年までに2030年の発電容量の約5%にあたる6,000MWを風力発電によって賄う方針です。
JICA はこれまで、海外投融資「クアンチ省陸上風力発電事業」、ADBに設置したアジアインフラパートナーシップ信託基金のサブプロジェクト「フーイェン省太陽光発電事業」、円借款「省エネルギー・再生可能エネルギー促進事業」等により、ベトナムの再生可能エネルギーの導入を支援しています。これらの支援を土台として、本事業を通じて民間資金を用いた再生可能エネルギー事業を支援することで、同国の再生エネルギー開発を一層後押ししていくとしています。