イスラエルが報復でイエメン空爆 フーシ派をけん制する狙いも

(VOVWORLD) - イスラエル軍は29日、親イラン組織であるフーシ派が支配するイエメン西部のホデイダやラスイサの港湾、発電所などを戦闘機で空爆したと発表しました。
イスラエルが報復でイエメン空爆 フーシ派をけん制する狙いも - ảnh 12024年9月28日、イスラエル軍の空爆により破損したレバノンのベイルート南郊外の建物(写真:Ali Alloush/Reuters)

イスラエルは、イスラム教シーア派組織ヒズボラが拠点とするレバノンへの地上侵攻を準備しているとされ、フーシ派に攻撃に加わらないようけん制する狙いがあるとみられます。

フーシ派によれば、今回の空爆で4人が死亡し、29人が負傷しました。フーシ派は28日にイスラエル中部の空港に向けてミサイルを発射しており、これに対しイスラエル軍は「最近のイスラエルへの攻撃に対する報復だ」と主張しています。軍は7月にも、イランからの武器輸送に利用されているとしてホデイダを空爆しましたが、イスラエルメディアによれば、その後フーシ派は武器輸送の活動の大部分をラスイサに移していたとされています。

イスラエルから1800キロ離れたイエメンのフーシ派への攻撃は、背後にいるイランもけん制する狙いがあるとみられます。ガラント国防相は「我々にとって遠い場所は一つもない」とX(旧ツイッター)に投稿し、明確なメッセージを発信しました。

フーシ派はパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスに連帯し、紅海を航行する船舶やイスラエルへの攻撃を繰り返してきました。今月15日にもイスラエル中部に向けてミサイルを発射しましたが、ミサイルは空き地に落ち、避難途中に数人が負傷しました。

一方、イスラエル軍は29日もレバノンへの攻撃を継続し、東部バールベック・ヘルメルへの空爆では21人が死亡しました。

中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」などによりますと、レバノンでは23日に大規模な空爆が開始されて以来、約8万人が隣国シリアに逃れており、国内でも南部や東部から少なくとも11万6000人以上が避難所に身を寄せています。ミカティ暫定首相は29日、「避難民は最大100万人に達する可能性がある」と懸念を示し、紛争拡大を防ぐためには「外交以外に選択肢はない」と強調しました。(毎日新聞)

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