イスラエル、ガザ北部を「封鎖」し民間人を強制移動か 国連が警告
(VOVWORLD) - 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は14日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区北部を事実上「封鎖」し、戦争犯罪に該当する可能性のある「民間人の大規模な強制移動」を進めているとの警告を発表しました。
2024年10月13日、イスラエルの空爆後に破壊されたレバノンのナバティエ県(写真:THX/TTXVN) |
イスラエル軍は約1週間前からガザ北部への集中的な攻撃を開始しており、北部の中心都市ガザ市の北側の全住民に対して避難命令を出しています。
また、世界食糧計画(WFP)によりますと、イスラエル軍は今月初め以降、ガザ北部への食糧搬入を阻止しています。
OHCHRは14日の声明で、イスラエル軍が道路の通行を妨害していることは事実上ガザ北部の封鎖に相当すると指摘しました。また、避難しようとする住民に対してイスラエル軍が銃撃を行ったとの報道にも言及しました。
さらに、イスラエル軍がガザ北部を他のガザ地区から切り離し、パレスチナ住民の生命と安全を完全に無視して戦闘行為を続けていると非難しました。
イスラエルのこの作戦は、退役将校ギオラ・エイランド氏が先月提案した計画と似ていると言われています。同氏はガザ北部の全住民を退去させ、残ったハマスの戦闘員を包囲するよう提案していました。
イスラエル内閣はエイランド氏の計画を全面的には採用していませんが、同氏は先週、政府が自身の提案の一部を採用したと主張しています。イスラエルの当局者によりますと、イスラエルはガザ全体における戦略の一部として、複数の計画を検討・実行しているとのことです。
イスラエル軍はCNNの取材に対し、ガザ北部への避難命令は無関係な市民を保護するための措置であり、国際法に従っていると強調しました。
これに対し、OHCHRは住民の強制移動が戦争犯罪やその他の違法な残虐行為に該当する可能性があると警告しています。(CNN.co.jp)