2013年、イラク北部にある世界遺産ハトラ遺跡=THX/TTXVN
過激派組織IS=イスラミックステートによって占拠され、一部が破壊されたイラク北部にある世界遺産、ハトラ遺跡についてイスラム教シーア派主体の部隊は26日、戦闘の末、ISから奪還したと発表しました。
イラクの政府軍とともに軍事作戦を続けるイスラム教シーア派主体の部隊は26日、イラク北部にあるハトラ遺跡一帯をISとの激しい戦闘の末、奪還したと発表しました。
ハトラ遺跡はおよそ2000年前に栄えた古代都市で、中心部に神殿があり、世界遺産に登録されていますが、2014年にISに占拠され、その後、石像などを破壊したとする映像がインターネット上に投稿されました。
このためユネスコ=国連教育科学文化機関はおととし、ハトラ遺跡を、緊急に保存や修復などが求められる「危機遺産」に指定しました。
ISは、イラクとシリアの各地でイスラム教で禁じられる偶像崇拝にあたるとして貴重な文化財を相次いで破壊してきましたが、ハトラ遺跡がどの程度、損傷を受けているのか詳しい状況は分かっていません。
ISに対しては、イラクとシリアの政府軍やアメリカ主導の有志連合などが各地で攻勢を強めていて、このうちISのイラク最大の拠点モスルは政府軍がすでに市の4分の3を制圧していて全域の奪還も近いと見られています。