(VOVWORLD) - シシ大統領の介入の背景には、イスラエルがガザ攻撃を継続する一方で、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラやイランとも対立が拡大している現状が影響していると見られます。
エジプトのアブデルファタハ・シシ大統領は27日、イスラエルとイスラム組織ハマスによる戦闘が1年を超える中、パレスチナ自治区ガザ地区での2日間の戦闘休止と限定的な人質交換を行い、最終的に「完全な停戦」を目指す提案を明らかにしました。
カイロでの記者会見で、シシ大統領はこの提案に、ガザで人質として拘束されているイスラエル人4人と、イスラエルで拘禁されている複数のパレスチナ人の交換が含まれること、さらに10日以内にさらなる交渉が行われる予定であると述べました。
なお、この計画がイスラエルやハマスに正式に提示されたかどうかには言及しませんでした。
シシ大統領の介入の背景には、イスラエルがガザ攻撃を継続する一方で、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラやイランとも対立が拡大している現状が影響していると見られます。
エジプトはここ数か月間、カタールおよびアメリカとともにイスラエルとハマスの停戦協議の仲介を行ってきましたが、これまでの成果は限定的にとどまっています。
また、27日にカタールで再開された人質交換交渉に際し、イスラエル側は情報機関トップの派遣を発表しました。
イスラエルやアメリカの一部の政府高官および専門家は、停戦合意の最大の障害として、ガザの最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏の存在が挙げられていたとの見解を示しています。同氏は今月、イスラエル軍により殺害されました。
交渉の進展を妨げる主要な問題として、ハマスがイスラエルに対しガザからの完全撤退を求めている点も挙げられますが、イスラエル側はこの要求を繰り返し拒否している状況です。(AFP通信)