【モスクワ杉尾直哉】ロシアのプーチン大統領は27日、モスクワで開かれた安倍晋三首相との日露首脳会談後の共同記者会見で「我々はあらゆる問題、最も困難な問題ですら、一緒に取り組んで解決する用意があることを確認した」と、日露平和条約締結に向け話し合いを続けていく姿勢を示しました。
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また、プーチン氏は「平和条約問題は、露日双方の戦略的な利益に応える形で解決されなければならない」とも述べました。ロシアでは、「領土を日本側に引き渡せば、米軍基地が進出する」などの反対論があり、こうした声に配慮した発言とみられます。
昨年12月のプーチン氏訪日前に露外交筋は「まず平和条約を結び、その後に(日ソ共同宣言で『引き渡し』が規定された歯舞・色丹両島の)具体的な引き渡しについて協議すべきだ」と述べ、領土問題を棚上げにした形での平和条約締結を訴えていました。
一方、ロシアのペスコフ大統領報道官は27日、「平和条約の署名は領土問題に関して行われる。領土問題は解決されなければならない」と述べ、領土問題の最終解決を含む平和条約締結をロシア側が念頭に置いている考えを示唆しました。
ペスコフ氏は「このところ、露日双方には平和条約署名へ向けた強い政治的な意志があり、遅かれ早かれこの重要な文書に署名できると期待している」と語りました。平和条約の具体的な内容には言及しませんでしたが「露日双方が受け入れ可能なものでなければならない」と述べました。