上海協力機構が共同声明、西側諸国の貿易措置を保護主義的と批判
(VOVWORLD) - 中国が主導し、ロシアやイラン、インド、パキスタンなど10カ国で構成される地域協力組織「SCO=上海協力機構」は16日、保護主義的な貿易措置を批判する共同声明を発表しました。
2024年10月16日、パキスタンのイスラマバードで、上海協力機構の首相級会議に集まった首脳ら(写真:THX/TTXVN) |
声明では、西側諸国が中国製品の輸入に対する関税を強化していることを背景に、中国と西側諸国の対立が一層激化していると指摘されています。
共同声明は、パキスタンのイスラマバードで開催されたSCO首相会議後に発表され、10カ国が署名しました。特にイランとロシアは、自国が西側諸国からの貿易制限に直面しているとして、「一方的な制裁」としてこれを非難しました。
声明では、SCO加盟国は「WTO=世界貿易機関のルールに反する保護主義的な貿易措置に対抗するため、協力を続けることが重要だ」と強調しています。
米国やカナダは、中国から輸入されるEV=電気自動車、アルミニウム、鉄鋼などに対する関税を引き上げており、EU=欧州連合も同様の措置を取る動きを見せています。中国はこのような対応を「差別的」とし、これに対抗する措置を取っています。
SCOは「一方的な制裁の適用」は国際法に反し、第三国にも悪影響を及ぼすと主張しました。
イランとロシアは、いずれも西側諸国から制裁を受けており、世界最大級のエネルギー資源を保有しています。中国やインドといった影響力のある加盟国は引き続き両国からエネルギーを購入していますが、経済規模が小さい加盟国はイランやロシアとの貿易をためらっている状況です。
例えば、パキスタンはイランからのガスや燃料の輸入が費用対効果が高いにもかかわらず、アメリカからの制裁を恐れ、イランとの天然ガス輸送パイプラインを活用していません。(ロイター)