中国南部の海南島で２５日、アジアの政財界の要人などが参加する国際的なフォーラム「ボーアオ・アジアフォーラム」の開会式が行われました。

はじめにフォーラムの理事長を務める福田元総理大臣があいさつし、「グローバル化は世界経済に大きな役割を果たしてきたが、取り残されたと感じる人も多いのが現実だ」などと述べ、世界に向け前向きな提言ができるよう２０００人近い参加者に活発な議論を呼びかけました。

続いて、中国共産党の序列７位の張高麗副首相が演説し「グローバル化と自由貿易を進めるという共通認識はアジアと世界の安定と発展、そして繁栄に大きく貢献してきた」と述べ、アメリカ第一主義を掲げるトランプ政権など保護主義的な動きを暗にけん制しました。

そのうえで張副首相は「中国は多くの国々と連携して世界の経済成長に活力を与え、よりバランスの取れたものにする」と述べ、自由貿易を推進する姿勢を強調しました。中国が中心的な役割を担うこのフォーラムでは、今回「グローバル化と自由貿易の未来」がテーマになっており、中国としては保護主義的な主張を強めるアメリカに対し、自由貿易を主導する姿勢を示す狙いがあるとみられます。