米議会、オバマケア見直し採決延期=新政権の運営能力に不安も
【ワシントン時事】アメリカ下院本会議は23日、トランプ政権が最重要政策と位置付ける医療保険制度改革(オバマケア)の見直し法案に関し、同日予定していた採決を24日に延期しました。アメリカメディアが報じました。与党共和党の一部が法案への反対姿勢を崩さず、この日の可決は困難と判断したもようです。大型減税やインフラ投資など、トランプ大統領の政権運営能力に不安が強まる可能性があります。
(写真:AFP/TTXVN)
オバマケアは、医療保険に入っていない国民をなくす狙いでオバマ前政権下の2010年に制度化されました。低所得者層の加入が進んだ一方、健康状態の悪い対象者が増え、一部保険料の値上がりを招いたことが問題視されました。
トランプ大統領は「オバマケアは国民を痛めつけてきた」と訴え、選挙公約として「撤廃と新制度への切り替え」を明言。共和党の下院執行部が中心となってまとめた見直し法案の実現を後押ししてきました。
だが野党民主党に加え、身内の共和党保守派が政府の関与を小さくすべきだと強く反発しました。穏健派も中高齢層の無保険者が増えるとして反対しました。トランプ氏と執行部はぎりぎりまで反対派の説得を続けましたが、党内をまとめきれなかったとみられます。
トランプ氏は、オバマ前政権の象徴ともいえるオバマケアを「撤廃」し、税制改革やインフラ投資など看板政策の実現に弾みをつける狙いでした。法案採決の延期で、出はなをくじかれた格好です。