山崎 こんにちは、山崎千佳子です。
ソン こんにちは、ソンです。今日の話題はアオザイです。
山崎 アオザイは世界の民族衣装の中でも大人気ですよね。私も好きです。
ソン 先月中旬に、ハノイのタンロン遺跡で、アオザイフェスティバルが開かれたんです。
山崎 私の友達が行ったと言っていました。世界遺産で行われたんですね。
ソン そうです。ベトナムの他の都市でもアオザイフェスティバルは開催されていますが、ハノイでは初めてだったんです。
山崎 意外ですね。たくさん行われているかと思ってました。
ソン 今回のハノイ・アオザイ・フェスティバル2016のテーマは「アオザイの神髄」だったんです。ベトナム全土のアオザイデザイナーや航空会社、旅行会社、ホテルなど多くの企業も参加しました。
山崎 アオザイの神髄。壮大なテーマですね。先ほども言いましたけど、アオザイは男女ともに人気がありますよね。ベトナムに滞在する外国人女性の多くがオーダーメードでアオザイを作ったりしますし、このVOVの日本語放送のホームページにアオザイが載ると、アクセスが上がったりしませんか(笑)?
ソン そうですね(笑)。アオザイの「アオ」は服という意味で、「ザイ」は長いという意味になります。
山崎 「長い服」なんですね。ピタッとしたデザインで体型が出てしまうので、作る前にダイエットしなきゃ、なんていう声もよく聞きます。
ソン うーん(笑)。上着部分は両脇のスリットがウエストまでありますからね。
山崎 それ以上に切れ込みが入っているものもありますよね。ズボン、パンタロンと組み合わせるので、快活なイメージもあります。
ソン 確かにアオザイは、シルエットだけでも、襟の高さや形、上着のすその長さ、パンタロンの幅やすそのデザインなど、微妙に変わっていて、模様も豊富です。
山崎 オーダーする時には20か所ぐらい採寸するので、同じデザインでも人によって違う風に見えるかもしれませんね。ハノイとホーチミンでもシルエットが違うと聞いたことがあります。ホーチミンのアオザイは体にぴたっとしていて、ハノイの方はゆったり目なんだそうです。
ソン 先月行われた「ハノイ・アオザイ・フェスティバル」でも、いろいろなアオザイを見ることができました。ベトナムの伝統文化でもあるアオザイを通じて、ベトナム全土の人たちと世界の人々に、1千年の歴史をもつハノイをピーアールする狙いもあったんです。
山崎 なるほど。アオザイとハノイの同時ピーアールですね。
ソン そうです。フェスティバルでは昔のアオザイのコレクションもありました。また、アオザイの原材料や機織り機も展示されました。
山崎 原材料はシルクですか?
ソン はい。絹の生産村であるハノイ郊外にあるバンフックや中部のホイアンのもの、北部の山岳地帯に住むモン族の手織物に関するものもありました。映像でアオザイの歴史が紹介されたりもしました。
山崎 いろんな角度からのアオザイ紹介ですね。観光分野で利用されているアオザイも展示されたと聞きましたけど、これは何ですか?
ソン ホテルスタッフやツアーの添乗員などが来ているアオザイですね。
山崎 制服ですね。ホテルやレストランでよく見ます。
ソン フェスティバルに参加したアオザイデザイナーは、新しいデザインを発表したり、アオザイ制作の実演もしました。
山崎 実演はあまり見ることができないですから、貴重ですね。デザイナー達はどんなアオザイを発表したんですか?
ソン 今回のフェスティバルで紹介されたアオザイは「ハノイ」がメインテーマでした。なので、デザインもハノイに関するものでした。
山崎 具体的にどんなものがあったんでしょう?
ソン ハノイの旧市街や一柱寺などの建物、それからハンチョン版画やドンホー版画がデザインされたアオザイがファッションショーで披露されました。
山崎 一柱寺は、その名の通り、一本の柱の上に仏堂が乗っているものですね。ユニークなアオザイになりますね。
ソン そうですね。ショーに出品したアオザイ専門のデザイナー( Minh Hanh)の話です。
(テープ)
「ハノイはファッション分野が発展する要素が十分にあると思います。特にアオザイは、単なるファッションアイテムではなく、ベトナム文化の象徴でもあるので、どんどん発展してほしいです。」
山崎 今回のフェスティバルは、アオザイデザイナーのハノイに対する思いが十分伝わったものになったようです。ファッションショーにモデルとして参加したベトナムで有名な俳優、ティエン・ホイ( Tien Hoi) さんのコメントです。
(テープ)
「今回、初めて開かれたハノイのアオザイ・フェスティバルの雰囲気を楽しんでいます。アオザイはベトナムの歴史や文化において、深い意義があります。昔は女性だけでなく、男性もこの衣装を身にまとっていたんです。」
山崎 そういえば、結婚式で新郎がアオザイを着ていますね。今では男性のアオザイは結婚式ぐらいですか?
ソン (コメント)そして、ベトナムの有名女優、チャ・ザン( Tra Giang) さんは、このように話しています。
(テープ)
「外国で開かれる映画祭やイベントなどに参加する時は、いつもアオザイを着ています。アオザイ姿のベトナム女性は、外国人のカメラマンにとって魅力的なようです。アオザイで、ベトナム文化の一部を理解できるように思います。」
ソン 17世紀に生まれたアオザイは多くの改良を経てきましたが、アオザイに対する人々の思いという点では、昔のままです。ハノイ市民( Nguyen Thi Ha)の女性の話です。
(テープ)
「ベトナム女性はアオザイを着ると美しくなります。行事や祝日、祭りなど女性たちはよくアオザイを着ます。昔は毎日着ていたものですが、今は結婚式や祭りだけで、これは少し残念です。」
ソン アオザイは「細いけれども強い」というベトナム女性を表していると言えますね。もちろん、これは誉め言葉です(笑)。
山崎 そうですね。もちろんです。では、おしまいに一曲お送りしましょう。「~」です。
(曲)
「~」をお送りしました。
今日のハノイ便りは、先月、ハノイで行われたアオザイフェスティバルについてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。