(VOVWORLD) -現在、イエンバイ省の高齢者の数は9万6千人で、その中で、多くの人々は地元の歴史、文化、習慣に精通しています。
北部山岳地帯にあるイエンバイ省の高齢者たちは地元に住む少数民族の伝統文化の維持、保存とその価値の活用と同時に、その文化価値を次の世代に伝えるために、少数民族の言語、文字、歌、踊りを若者たちに教えることに全力を尽くしています。
そのおかげで、イエンバイ省に住む各少数民族の伝統文化が維持、保存され、ますます豊かになっています。
現場の音
イエンバイ省チャンイェン県ホアクオン村に住む芸人、ニン・クアン・タインさんは今年70歳近くになりましたが、その声は今もきれいです。タインさんは両親ともに、地元に住む少数民族カオラン族の伝統民謡である「シンカ」を歌うことに情熱を注ぐ家族で生まれ育ちました。幼いころから、タインさんは、祭りごとに両親やほかの村人と一緒にシンカを歌いました。タイン氏は次のように語りました。
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「通常、祭りが多く開催される1月と2月に民謡「シンカ」を公演します。そして、天気が涼しくなる8月以降、またよくこの民謡を歌います。その時、コメ、トウモロコシ、ジャガイモが収穫し、暇の時間が多いからです」
カオラン族の伝統民謡である「シンカ」の美しさはメロディーだけでなく、歌の内容も非常に豊富です。中には労働生産活動、自然の風景、男女の愛、子供に対する親の愛など多岐にわたっています。先ほどの芸人、ニン・クアン・タインさんはさらに次のように語りました。
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「休日、新年などそれぞれの行事に独自の歌が歌われます。村人の間の関係や故郷を称える歌があれば、コメ、キャッサバ、トウモロコシ、ジャガイモなどを称える歌もあります」
今から12 年前、タインさんは村に住む幾人かの民謡愛好家とともに、民謡「シンカ」クラブを設立しました。当初のメンバーはわずか 7 人でしたが、現在、その数は 50 名を超えました。このクラブのメンバーの一人である、メー・ティ・バンさんは次のように語りました。
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「カオラン族の民謡はとても面白くて豊富です。このクラブに参加し、民謡の歌い方を学んだ後、自分の子供たちに教えます」
現場の音
一方、イエンバイ省ルクイエン県はカップコイという民謡を維持、保存しています。ルクイエン県ムオンライ村の芸人ホアン・クアン・ニャンさんは、生涯を費やして、村々に赴き、伝統民謡のメロディーを収集したり、若い世代に教えたりしてきました。現在、ニャンさんは200点の古代の民謡を集めました。ニャンさんは次のように述べました。
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「収集の過程で、私はベトナムの独自の文字であるチュノムで書かれたカップコイという民謡を記録した書籍を見つけました。その書籍を翻訳したところ、これらの民謡は非常に優れており、1912年から1920年代まで人々の間には本がなく、口頭でのみ伝えられていたことがわかりました。したがって、将来的にはそれが失われ、民謡「カップコイ」を歌う多くのお年寄りや芸人も亡くなるだろうと思います。だからこそ、私はそれらを収集、記録し、子や孫に伝えていく必要があると考えています」
芸人ニン・クアン・タインさんと同様、芸人ホアン・クアン・ニャンさんは伝統民謡を維持、保存するだけでなく、地元の若い世代に民謡を教えるため尽力してきました。イエンバイ省ルクイエン県のムオンライ中学校3年生のマ・ティ・クインさんは次のように語りました。
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「学校におけるカップコイ・クラブに参加しています。テイ族の伝統文化を維持できるので、とても嬉しいです」
現在、イエンバイ省の高齢者の数は9万6千人で、その中で、多くの人々は地元の歴史、文化、習慣に精通しています。これらの高齢者は共同体で行われた儀式や文化および宗教活動を実行するほか、伝統文化の維持、保存に活躍しています。そのおかげで、イエンバイ省の伝統文化が維持、保存されるだけでなく、ますます豊かになっています。イエンバイ省文化スポーツ観光局のブー・ティ・マイ・オアン副局長は次のように語りました。
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「イエンバイ省は、文化を重要な精神的資産であり、芸人は文化アイデンティティの魂を維持するための中心的な要素であると見なしています。そのため、最近、私たちはイエンバイ省の行政府に対し、芸人を含む歌舞クラブを設立するようアドバイスしました。イエンバイ省の芸人は、文化的アイデンティティの保存において非常に重要な役割を果たしています」
時が経つとともに、イェンバイの伝統文化の価値が、高齢者の貢献により、引き続き維持保存されています。これは民族色に富んだイェンバイ省を構築するための基盤となることでしょう。