カーチューの仲間のクア・ディンという伝統芸能

2015年3月29日 | 16:00:00

ホアイ こんにちは、ホアイです。アンさんとハノイ便りをお送りします。アンさん、よろしくお願いします。

アンお願いします。ホアイさん。2009年、ベトナムの伝統芸能「カーチュー(ca tru)が緊急保護を要するユネスコ世界無形文化遺産として認定されました。おかげで、カーチューという名は多くの人々に知らていますが、今日のこの時間はカーチューの仲間のクア・ディンという伝統芸能をご紹介します。

ホアイ その前に、カーチューについて簡単に説明しておきましょうか？

アンそうですね。カーチューは1000年に渡って受け継がれてきたベトナムの伝統芸能で、古くは王朝や宗教儀式に演奏されてきましたが、近年は結婚式や宴会などでも、間近に演じられるようになりました。

ホアイ カーチューで使われる音楽はベトナム北部のホン河（紅河）デルタ地帯が発祥とされ、伝統楽器の節に合わせて、歌い手が詩と曲を情感豊かに歌いあげます。

アン楽器は弦楽器・ダンダイ（Dan Day）、打楽器・ファック（Phach）、太鼓・チョンチャウ（Trong Chau）の3種類があります。カーチューの公演には観客の協力も重要で、かつては観客が歌唱にあわせてチョンチャウという太鼓を鳴らしたものでした。

ホアイ さて、本題のクア・ディンという芸能もカーチューの一種ですが、クアディンという言葉はどんな意味ですか？

アンベトナム語で、クアというのは入り口で、ディンは集会所という意味です。この芸能は集会所の前で公演されますので、「クア・ディン」という名前になりました。

ホアイ 史書によりますと、カーチューは李王朝時代の11世紀から生まれました。その中でも、クアディンは最も早く生まれたものです。元々、クアディンは村の神様を奉る儀式に披露されました。しかし1950－1960年代、様々な理由で、この芸能が村の神様を奉る行事から徐々に遠くなりました。ベトナム文化芸術研究所のブイ・チョン・ヒェン研究者は次のように話しました。

（テープ）

「史書によりますと、北部から中部ハティン省までのすべての地方では平均１つの県にはクアディン芸能の歌い手が住む村２つがあります。これらの歌い手は地元の集会所で公演を行います。クアディン芸能は村の神様の行事で奉納されました」

ホアイ クアディンの内容はカーチューの他の種類の芸能と違って、心霊文化や信仰の意味があります。こうした理由で、クアディンは厳かな雰囲気と祭りの賑やかな雰囲気もありますね。先ほどのベトナム文化芸術研究所のブイ・チョン・ヒェン研究者はさらに次のように話しました。

（テープ）

「昔の芸人は信仰の儀式の内容に故郷や人々への愛着、昔話などの内容などもクアディンの歌に盛り込んでいました」

ホアイ 今日のハノイ便りは、カーチューの一種類であるクア・ディンという伝統芸能についてお伝えしています。ここで、一曲お送りしましょう。「～」です。

（曲）

「～」をお送りしました。

アン近年、ベトナムはクアディン芸能の復活に力を入れていました。しかし、クアディン芸能のメロディや歌い方に精通する人としては北部港湾都市ハイフォンに住むグェン・フー・デーさんしかいませんね。